記者の目 / 開発・分譲

2009/3/16

インテリックス空間設計が、リノベーションパッケージ商品を新発売

専有面積を乗じるだけで概算可能。明朗会計・アフターフォロー完備!

 築年数の経過したマンションに住まう人で、「マンションをリノベーションしたい」と感じたことのある人は多いはず。しかしユーザー(消費者)にとってリノベーションは、決して身近なものではない。「どこに頼んだらいいか分からない」、「相場や必要な費用が分からない」、「後で追加請求されるのではないか」といった不安を訴える人も多く、結果、リノベーションを実施するユーザーは、さほど多くないのが実状だ。  マンションリノベーションのリーディング企業(株)インテリックスのグループ会社である(株)インテリックス空間設計は、2月26日にマンションリノベーションのパッケージ商品「リノヴェックス ネクスト」の販売を開始した。  この商品の詳細が公表されたので、レポートする。

「リノヴェックス ネクスト」でリノベーションした50平方メートルの部屋。6面断熱の効果か、室内気温は暖房なしなのに21度!
「リノヴェックス ネクスト」でリノベーションした50平方メートルの部屋。6面断熱の効果か、室内気温は暖房なしなのに21度!
「リノヴェックス ネクスト」でリノベーションしたモデルルームのある築40年のマンション(東京都世田谷区)
「リノヴェックス ネクスト」でリノベーションしたモデルルームのある築40年のマンション(東京都世田谷区)
給水給湯ヘッダー配管(写真)や電気配線コネクタといった表から見えない設備についても、交換を実施する
給水給湯ヘッダー配管(写真)や電気配線コネクタといった表から見えない設備についても、交換を実施する
キッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレ、給湯器などの設備は、300万~100万円まで50万刻みのパックが用意されている
キッチン、ユニットバス、洗面化粧台、トイレ、給湯器などの設備は、300万~100万円まで50万刻みのパックが用意されている
モデルハウスでは、断熱材がどのようにほどこされているか、実際に見ることができるような展示がされている(写真上から天井、壁、床の展示)
モデルハウスでは、断熱材がどのようにほどこされているか、実際に見ることができるような展示がされている(写真上から天井、壁、床の展示)

専有面積×X(エックス)で概算可能

 「リノヴェックス ネクスト」は、価格・工事内容の透明化を図りつつ低価格化を実現、さらに長期サポート体制も用意した、リノベーションパッケージ商品。

 このパッケージでは、基本工事費(各種施行検査、養生費、解体処分費、電気・ガス工事費、雑工事費など)、下地工事、仕上げ工事、諸設備(キッチン、ユニットバス、トイレ、照明など)がすべてセットとなっている。

 なおかかる費用の概算方法は次のとおりだ。

 まず算出に必要な項目について説明しよう。
●「基本工事費」
専有面積によって単価(平方メートル単価)が異なり、40~60平方メートル未満は4万9,300円、60~80平方メートル未満は4万900円、80平方メートル以上は3万5,500円と設定されている。
●「下地工事費」
「高性能プレミアム」(6面断熱+性能部材)、「スタンダード」(6面断熱)、「エコノミー」(断熱なし)の3種類から選択する。
●「天井・壁仕上げ工事費」は「プレミアム」「スタンダード」の2種類から選択する。
●「床仕上げ工事費」
「スタンダード」(フローリング+フロアタイル)「オリジナル」(オリジナルフローリング+フロアタイル)「エコノミー」(カーペット+フロアタイル)の3種類から選択する。

 65平方メートルのマンションをモデルに試算してみると次のようになる。

 4万900円(基本工事費)+3万300円(下地工事費「スタンダード」を選択)+4,500円(天井・壁仕上げ工事費「スタンダード」を選択)+7,400円(床仕上げ工事費「オリジナル」を選択)に65平方メートルを乗じて540万1,500円。
 ここに諸設備の料金として+150万円(100万円、150万円、200万円、250万円、300万円のパックがあり、いずれかを選択)で690万1,500円。これに諸経費として10%の69万150円を足し、さらに消費税を足した797万1,232円が費用だ。非常に分かりやすい。

 「リノベーションにどのくらいの費用がかかるのか分からない、後で追加請求されるのではないか、という不安を抱える消費者は多い。その不安要素を払拭すべくこのような料金システムを採用した」(同社リノヴェイト営業部副部長・湯本泰史氏)だけあって、実に単純明快。

 しかも、65平方メートル、設備込みで約800万円という価格はかなり安価ではなかろうか。「同業他社の提供メニューと比べ、かなりコストパフォーマンスは高いと自負している」(同氏)とのことだが、6面に断熱材を施してこの価格は他社商品にはない。

ダブルインフィル工法で、断熱から間取り可変まで対応

 なお同社の工事では、ダブルインフィル工法を採用している。これは、マンションをスケルトンの状態にした上で、下地インフィルを再構築、その上に表層インフィルを施すという方法だ。下地は工場で加工することで、施行の均質化・工期の短縮化を図るとともに、コスト削減も実現した。さらに表層インフィルで、設備、資材などを顧客のニーズに合わせて施工していく。なお、断熱は、下地と表装の間に施す。

 「築年の経過したマンションでは断熱性能が劣るものも多い。6面に断熱するのは他社にはない施工特徴。こうすることで、冷暖房効率が良くなり、CO2削減にもつながる」(同社常務取締役籠・橋正美氏)とのこと。

 このパッケージでリノベーションされた築40年のマンションの部屋を見学させていただいたが、2月で暖房が入っていないにもかかわらす、室内気温は21度を保っていた。外気温は10度を下回っているのではないか?とのことだから、6面断熱の効果が高いかお分かりであろう。

 また今回の商品には、長期利用を踏まえた35年間という長期のサポートシステムが用意されている。3ヵ月、1年、3年、5年、10年と定期的にサポート、アフターサービスを保証する。

 さらに、「住まいのカルテ」という住宅履歴を整備、設備拝観図を含む竣工図、仕様書、メンテナンス内容履歴を整備するほか、この「住まいのカルテ」を同社でもシステム保管するという。

 このような分かりやすい料金設定、アフターサービスの完備は、これまでのリフォームの悪いイメージを変えることにつながるかもしれない。

 同社では、これからプロモーション活動などを開始、月に5件の受注、1件単価700万~800万円と想定した上で、年間4億~5億円の売上げを見込んでいるという。(NO)

【関連ニュース】
リフォームパッケージ商品を消費者向けに発売開始/インテリックス(2009/2/26)

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