国土交通省は20日、2008年度都市景観大賞「美しいまちなみ賞」受賞地区を発表した。
都市景観大賞「美しいまちなみ賞」は、良好な景観形成を普及啓発するための表彰で、01年から開始されているもの。NPO等のまちづくりづくり組織と地方公共団体が協働して美しいまちなみの形成を行なっている地区を対象に、「美しいまちなみ大賞」、「美しいまちなみ優秀賞」、「美しいまちなみ特別賞」を授与、広く紹介している。
2008年度の「美しいまちなみ大賞」に選ばれたのは「村上市旧町人町・旧武家町地区」(新潟県村上市)と「南小国町黒川温泉地区」(熊本県南小国町)の2地区。
「村上市旧町人町・旧武家町地区」は、取組みが景観整備を超えて、多数の市民、民間組織、JR、行政等を巻き込んだ大きなムーブメントを起こし、市民自治による生活文化創造を行なっている点や、「町屋再生プロジェクト」として、柱や板、瓦、建具などを蓄える古材バンクなどを組織してコストダウンを図るとともに景観の再生に役立てている点などが評価された。
また、「南小国町黒川温泉地区」は、黒川という地区全体を一つの旅館とみなし、道はその廊下であるという「黒川一旅館」というコンセプトのもと、公共と住民が一丸となって総合的なまちづくりをめざしていること、周辺の農地の保全までの含めた地区全体の景観整備を行なうことが、黒川温泉の繁栄と地域の活性化につながる、という意識が共有されていることなどが評価された。
なお、同賞の表彰は6月2日開催の「『日本の景観を良くする国民運動推進会議』全国大会」(主催:日本の景観を良くする国民運動推進会議)において実施される予定で、同大会では基調講演やパネルディスカッションも行なわれる。
同大会の詳細は同会議ホームページを参照のこと。