旭化成ホームズ(株)は1日、東京工業大学大学院総合理工学研究科人間環境システム専攻・中村芳樹准教授と共同で行なった研究結果にもとづき、「明るさ尺度値」を用いた照明計画の設計手法を考案したと発表した。
同研究は、従来の照度計算に頼った照明計画では照明器具が不快なまぶしさの原因となっているのではないかという課題認識から始まったもので、シミュレーションや実証実験を行ない、「明るさ尺度値」により、住空間において人が感じる明るさを定量的に評価し、照度計算に頼らず安定した品質の照明計画を設計する手法を考案したもの。
今回の設計手法を用いた照明計画では、従来のように「明るさを足す」のではなく、「明るさを調える」ことで、昼夜のリズムに沿った心身に心地よい明るさをつくり出す。間接照明と調光機能により光を「削る」、「均す」、「動かす」といった3つのステップを提案するとともに、部屋の広さに応じて必要な明るさの目安を「照らす壁の長さ」として定量化した。
こうした照明計画は、一般的なものと比較して、十分な明るさを確保し、また、照明用エネルギー消費が約6割削減されることから、省エネルギーや環境負荷軽減に繋がるとしている。
同社では、一部の住宅展示場ですでに同計画を採用しているが、今後はこの設計手法の活用や展開について顧客へ提案するとともに、商品化の可能性を検討していくとしている。