不動産ニュース / 開発・分譲

2010/12/15

環境配慮強化した1棟リノベーションマンション「リノア元住吉」を一部竣工/リビタ

「リノア元住吉」外観(共用部竣工時点)。外壁に貼った鋼板をダークブラウンで塗装し、シックな装いにしたほか、光沢を消すことで景観に馴染むようにしている
「リノア元住吉」外観(共用部竣工時点)。外壁に貼った鋼板をダークブラウンで塗装し、シックな装いにしたほか、光沢を消すことで景観に馴染むようにしている
工事前の外観。建物の手入れが行き届いておらず、老朽化は深刻な状態だった
工事前の外観。建物の手入れが行き届いておらず、老朽化は深刻な状態だった
屋上の太陽光発電パネル。ガス・電気併用型に比べCO2排出量を約56%削減できる
屋上の太陽光発電パネル。ガス・電気併用型に比べCO2排出量を約56%削減できる

 (株)リビタは14日、「1棟丸ごとリノベーション」プロジェクトによる分譲マンション「リノア元住吉」(川崎市中原区、総戸数24戸)を報道陣に公開した。

 同プロジェクトにおける14棟目となる同物件は、JR南武線「武蔵中原」駅徒歩14分に立地する鉄筋コンクリート造5階建て、1989年築の社員寮を同社が買い取り、1棟丸ごと改装したもの。
 
 リノベーション物件では初となる太陽光発電システムや「炭素クレジットサービス」や、「エネルギー見える化システム」の導入など、環境配慮の取組みを強化したのが特長。
 太陽光発電は最大出力182kw。共用部に活用するほか、5階にある4戸については、戸別売電可能な住戸とした。1戸当たり月額1万円程度の売電ができる見込みで、居住者は月840円の専有使用料を支払う。

 「炭素クレジットサービス」と「エネルギー見える化システム」は、同社と同じく東京電力グループで、マンション向けサービスプロパイダなどを提供する(株)ファミリーネット・ジャパン(東京都渋谷区、代表取締役社長:城重信夫氏)のシステムを採用。見える化システム「me-eco」でCO2排出削減量(国内クレジット)を計測し、認証機関に承認申請。認証後、同クレジットをファミリーネットジャパンがマンション管理組合から買い取り、対価を支払う仕組み。
 そのほか、断熱改修、オール電化、LED照明、カーシェアリング、電気自動車用電源などを導入し、環境性能を高めている。

 共有部には、エントランス脇にあるコミュニティスペース、区画利用で家庭菜園などができる屋上ガーデン、日用品を収納できるシェアリング倉庫などを設けた。
 専有部の間取りプランは「カスタム」「アレンジ」「フリー」の3コースから選択でき、自分好みに合ったリノベーションが可能。専有面積69.52~73.51平方メートル、販売価格3,180万~3,990万円。売電可能な住戸は通常価格より100万円程度高くなる。すでに全戸即日完売しており、ファミリー層を中心に環境配慮を評価した購入者が多かったという。

 同社プロジェクトマネジメント部分譲グループ部長の長瀬徳之氏は、「共同住宅への太陽光発電導入はまだめずらしく、重要事項説明書や管理規約、長期修繕計画など検討する課題が多くあったが、環境価値を居住者の皆様に還元することで、無理なく、楽しみながらエコを実践いただけるのでは」と話した。現在は共用部のみの竣工で、完工は2011年1月下旬を予定している。

 同社は、今後も「1棟丸ごとリノベーション」や、シェア型賃貸住宅「シェアプレイス」などへも、太陽光発電システムを積極的に採用していく方針。

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