イオンモール(株)は5日、2011年2月期決算短信を発表した。
当期(10年2月21日~11年2月20日)の連結業績は、営業収益1,451億1,700万円(前年同期比4.4%増)、営業利益396億5,100万円(同6.6%増)、経常利益382億2,400万円(同5.6%増)を計上。また、特別利益として持分法適用関連会社の株式売却に伴う関係会社株式売却益など48億6,400万円、特別損失として、減損損失および既存ショッピングセンター(SC)増床・リニューアル等に伴う固定資産除却損など48億6,600万円を計上し、当期純利益223億7,900万円(同2.6%増)となった。
同業績期間における個人消費は、家計収入の伸び悩み等により本格的な回復には至らず、資源価格・原材料価格の上昇による世界経済の減速懸念等により、先行き不透明な状況で推移。SC業界においても、業界全体での既存店ベースのテナント売上は改善傾向にあるものの、テナント企業の出店先の選別に伴う不採算店舗の撤退が顕在化するなど、SC間格差の拡大によるディベロッパーの優勝劣敗が進展した。そのようななか、同社では顧客ニーズに対応した地域一番の競争力のあるSCづくりに取り組み、積極的にテナント誘致をはかるとともに、オペレーションの効率化を中心としたコスト構造改革を継続的に推し進めた結果、増収増益となった。
当期の新規出店SCは、「イオンモール新瑞橋」(愛知県)、「イオンモール大和郡山」(奈良県)で、そのほか清水建設(株)よりプロパティ・マネジメント物件として受託した「イオンモールKYOTO」(京都府)。
なお、3月11日に発生した東日本大震災では、顧客、従業員を含め、死者・行方不明者といった人的被害はなく、東北・関東地方における一部SCにて地震による建物・設備の一部が損傷する等の物的被害が発生したものの、津波による被災や建物等の損壊といった被害はなかった。
それに対して同社では、迅速な対応の下、食品や生活必需品を取り扱う総合スーパー(GMS)の営業再開を最優先に進め、すべてのSCにて営業を再開し、専門店ゾーンについても、「イオンモール名取エアリ」(宮城県)を除くすべての店舗が営業中。名取エアリの専門店ゾーンは、修復工事を実施しているが、地域の行政、ユーザーより早期の営業再開を期待する声も寄せられていることから、4月25日をめどに、半数以上の営業再開をめざす。
次期は、震災の影響のほか、中国やASEAN諸国におけるSC事業の展開準備などをふまえ、営業収益1,520億円、営業利益415億~430億円、経常利益400億~415億円、当期純利益215億~224億円を見込む。