


日本郵便(株)は29日、不動産開発事業では初となる単独事業のオフィスビル「大宮JPビルディング」(さいたま市大宮区)を竣工する。
JR「大宮」駅 徒歩5分に位置。敷地面積約6,104平方メートル、延床面積約4万5,700平方メートル。鉄骨造地上20階塔屋1階建て。2~19階がオフィスフロアとなり総貸室面積約2万2,300平方メートル。基準階は、ワンフロア約1,320平方メートル(約400坪)、天井高2.8m、床下には配線などをすっきり収納できる100mmのOAフロアを用意。アウトフレーム構造の採用により効率的なレイアウトを可能とし、最大区画約400坪から11分割(36坪)まで対応する。テナントの詳細は非公開だが、竣工時にほぼ満室での稼働を予定している。
建物は、オイルダンパーやアンボンドブレーズなど3種類の制振ブレースを組み合わせたハイブリッド型制振構造により、地震時の揺れを最適に制御。4フロアに設置したITスマートセンサーによる建物モニタリング診断システムにより、地震直後のモニターを通じた被災状況の把握・確認も可能としている。さらに、外部ライフライン途絶時には非常用発電により連続72 時間ビル機能の維持を可能にするなど災害時におけるBCP対策を施した。
また、LED照明の採用や、長さ約36m・高さ約16mに広がる壁面緑化など、環境にも配慮した仕様とした。これらの取り組みにより、さいたま市大宮区で初となる「CASBEE さいたま」で最高位のSランクも取得している。
また、東京都心から20~30km圏内に位置する大宮地区は、北関東・信越・東北エリアへ向けた拠点となりえる地であることから、支店・営業所等の設置を見込み、オフィスに隣接した約440台の自走式駐車スペースも設置した。
竣工に伴い27日に開催したプレス内覧会で、同社不動産部部長の野村 洋氏は、同地の魅力として、(1)首都圏と東日本各地をつなぐアクセス環境、(2)生産年齢人口比が高く、さいたま市が長年、企業の誘致に力を入れておりビジネス環境として高いポテンシャルを秘めている点、(3)内陸で津波の心配がなく、直下地震のリスクも少ない周辺環境、などを提示。「この3つのポイントを踏まえ、その価値向上に資するという考えで開発してきた。フレキシブルな整形オフィスフロアとビジネスの機動力を高める大型自走式の駐車場の組み合わせを、オフィスビルの新しい形として提供したい」などと語った。