(株)長谷工総合研究所は27日、2016年の首都圏・近畿圏における分譲マンションの市場動向を発表した。
首都圏の16年の新規供給戸数は2,069件3万5,772戸(前年比11.6%減)と、09年以来の3万戸台に減少。第1期発売開始物件が466物件2万5,296戸と、前年を大きく下回ったことや、10戸未満の供給にとどまる小分けの供給物件が多数を占めるなど、慎重な供給が要因としている。
初月販売率は68.8%(前年:74.5%)と5.7ポイント下回った。第1期販売開始物件が少なく、15年からの継続分譲物件が多かったことなどもあって、09年以来の60%台に低下した。
分譲単価は1平方メートル当たり79万3,000円(前年比1.8%上昇)、平均面積は69.22平方メートル(同2.2%縮小)と縮小し、平均価格は5,490万円(同0.5%ダウン)となった。分譲単価の上昇幅が縮小したことに加え、平均面積の縮小もあって、平均価格が前年を下回った。
近畿圏の16年の新規供給戸数は1,103件1万8,676戸(同1.3%減)となった。ワンルームマンションが過去最多の40物件3,429戸供給されたことから、ファミリー向け物件の供給戸数は1万5,247戸と、15年の1万5,937戸をさらに下回った。
初月販売率は71.9%(前年:70.8%)と、前年を1.1ポイント上回った。第1期発売開始物件が、前年並みの供給だったこと、ワンルームマンションの初月販売率が86.9%と好調だったことも70%台を維持した要因としている。
分譲単価は1平方メートル当たり61万6,000円(前年比5.8%アップ)、ワンルームマンションの供給増もあって平均面積は63.67平方メートルと同2.2%縮小したが、平均価格は3,919万円(同3.5%アップ)となった。
併せて17年の予測についても発表。着工戸数からみた供給材料などをみると、首都圏は3万6,000戸、近畿圏で1万9,000戸と予測。16年は市況をみながら慎重に供給が行なわれており、この傾向が継続するとみている。
一方、需要サイドでは、景気や個人消費の回復に対する期待が高まっていること、税制・住宅ローン金利などの住宅取得環境は好環境が続くことから、需要者の購入マインドも緩やかに改善し、販売状況も改善に転じると予測している。