賃貸住宅等の企画・設計を手掛ける(株)SPEACが企画した賃貸住宅「SORAMICHI」(さいたま市大宮区、総戸数8戸)が竣工した。
同物件は、JR東北本線「さいたま新都心」駅徒歩14分に立地。同社は約1年前オーナーから賃貸住宅の企画を依頼され、周辺エリアの賃貸住宅仲介と管理を数多く手掛ける(株)ハウスメイトパートナーズと協同で企画を練り上げた。
建設地は、さいたま新都心駅前の大規模開発地を抜けた低層住宅街。「初めて現地に来た時、空の広さに感動した。この空を中庭と吹き抜けの窓で住空間に取り込もうと考えた」(SPEAC取締役・宮部浩幸氏)。
さいたま市の建築規制により、木造の賃貸住宅は2階建てまでとされており、その分自然光をたくさん導けるよう、容積を生かして全戸1.5層空間とした。全戸共同住宅とすると住戸通路を兼ねる中庭に屋根を付けなければならないため、建物用途を共同住宅と長屋と分けて申請。ハウスメイトパートナーズのマーケティングデータをもとに賃料総額を想定。駅遠でもワンルームよりニーズの高いメゾネット(45平方メートル)と、駅近物件に個性で負けないワンルーム(25平方メートル)を4戸ずつ組み合わせた。
中庭にレンガを敷き詰め、さらに各住戸の洗濯物干場・自転車置き場として用意した「土間」「インナーテラス」もレンガ敷として、中庭と室内を連続した空間として見せている。室内は、無垢フローリングをはじめ木の質感を大事にした空間づくりで、腰窓や高窓を数多く設け、自然光を導く。ワンルームの天井高は3,600mmでロフト付き。メゾネット2階は4,200mmを確保する。
また、各住戸はネジ止めが効くべニアを仕込んだ壁を用意。原状回復義務を免除することで、自由にDIYを楽しめるようにしている。「愛着を持って住む人が集まることで、良好な住環境が生まれ、結果として管理も楽になる」(同氏)。
施工費は、外構含め坪当たり約105万円。賃料は、ワンルーム6万4,000円、メゾネット10万円。すでに4戸が契約済み。