不動産ニュース / 開発・分譲

2017/4/5

ナイスG、木造大型建築物の受注強化

テクノストラクチャー工法で施工した
「パナソニックAFH横浜十日市場」内部。
高さ80cmの大型鉄骨梁「グランドテクノビーム」により
スパン6.5mの無柱空間を作り出した

 すてきナイスグループ(株)は、木造大型建築物の受注(構造設計・施工)を強化する。2015年、建設事業本部内に木構造事業部を新設し、商業施設やアパート、保育園、高齢者施設といった大型の木造建築物の受注活動を本格化。設計から部材供給、施工までグループのリソースを使い、同社独自の「パワービルド工法」やパナソニック(株)との合弁会社、テクノワークス(株)等を通じ展開する「テクノストラクチャー工法」により、コストやプランで差別化していく。

 ナイス(株)は5日、同社がテクノストラクチャー工法で施工したサービス付き高齢者向け住宅「パナソニックAFH(エイジフリーハウス)横浜十日市場」(横浜市緑区)の上棟に伴い、主要構造部を関係者等に公開した。6日を含め、150組が見学する予定で、受注獲得へ活かす。

 「テクノストラクチャー工法」は、木造軸組の横梁をパナソニック製の鉄骨梁(テクノビーム)とすることで、高い耐震性を維持しながら、最大10mのスパンによる大空間、延床面積1,500平方メートルまでの施工を可能とする。混構造ではなく木造に分類されるため、減価償却や税制面で有利となる。柱や壁ボード等の部材を一般木造軸組住宅と共通化できるため、建築コストも鉄骨造やコンクリート造より大幅に低減できる。1995年の提供開始以来、一般住宅を約5万4,000棟、非住宅系でも359棟を施工している。

  「パナソニックAFH横浜十日市場」は、木造2階建て、延床面積987平方メートル。サービス付き高齢者向け住宅20室と、小規模多機能室9室を備える。16年7月、5社競合入札の末受注。鉄骨造を大きく下回る建物施工費(70万円/坪)、木造梁では不可能なスパン6.6mの談話室などが評価された。総工費は2億4,000万円。工期は約7ヵ月。テクノストラクチャーに係る資材費は約2,300万円。

 同社は今後、現在3階建てが上限のテクノストラクチャー工法について、さらなる多層化を目指すほか、スパンの大型化も進めるなど商品力を高めることで受注拡大を図る。16年度は、東北・三陸の復興商店街など含め木造大型建築物を10件施工。17年度は20棟弱の施工を目指している。

 同日会見したすてきナイスグループ代表取締役社長でテクノワークス代表取締役社長の日暮 清氏は、「日本を中心に、建築物木造化のうねりが世界中に広まっている。テクノストラクチャー工法は木造の居住性を持ちながら地震に強く、工期は短く、建築コストは安い。一般住宅の着工件数は減っていくが、木造の一般建築物は増えていくはずで、受注活動に取り組んでいく」などと語った。

この記事の用語

木造軸組工法

在来工法ともいい、木造建築物の工法の一つ。「在来工法」とは、「伝統工法」をベースとしながら、第二次大戦後の技術革新で新たに生まれた木造建築物の工法である。

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