積水ハウス(株)は、3・4階建て新構法「フレキシブルβシステム」を開発。9月に型式適合認定も受け、11月2日より販売開始する。
H型鋼を2つ並べたような独自形状の高強度柱「WHコラム」と高強度梁「WHビーム」を開発。従来の「βシステム」で使っていた柱・梁の2.5倍の強度を実現し、大開口の連続窓や最大スパン9mの無柱空間も可能となった。従前構法に比べて柱を25%削減でき、施工省力化や間取りの自由度向上と同時に将来的なリフォーム・リノベーションへの対応力も高めている。
専用住宅や賃貸住宅の需要が今後縮小することを見込み、非住宅を含めた多様な用途への提案力を強化するのが狙い。特に近年は寺院の宿坊やホテル、保育園といった従来になかった非住宅の需要が増えており、同社でも非住宅分野を伸びしろと見据える。特に都市部の戸建て建て替えなど、専用住宅や併用住宅の需要を確実に取り込みながら、CRE・PRE需要にも応えていく。
9月に型式適合認定を受けたことで、工期が短縮。延床面積3,000平方メートルの建物の場合、鉄筋コンクリート造に比べて約5ヵ月短い工期で完成するという。3.3平方メートル当たりの販売価格は、専用住宅「BIENA」が78万円から、賃貸住宅「BEREO」が73万円から、併用住宅「BEREO PLUS」75万円から。販売目標は16年度よりも約300棟上積みを図り、年間2,500棟を見込む。
10月30日に記者会見した同社常務執行役員技術本部長兼開発部長・三浦敏治氏は、「この数年は、店舗併用・事務所併用住宅の受注が増加している。提案できる用途が広がれば、最も収益力の高い用途の提案が可能だ」と、今回の新構法に期待を寄せる。