(株)三友システムアプレイザルは26日、「三友地価予測指数」(2018年3月調査)を発表した。提携する不動産鑑定士154人を対象にアンケートを実施、結果を分析した。商業地、住宅地の各都道府県主要都市における高度利用地等を前提に、上昇・やや上昇・横ばい・やや下降・下降の5段階で評価された地価動向の各回答者比率に100~0を5段階に分けた係数を乗じてその和を求めた。調査実施期間は2月5~28日。
商業地指数の「現在」(過去6ヵ月の推移)は、東京圏が78.4(17年9月調査比1.7ポイント上昇)、大阪圏が78.2(同5.0ポイント上昇)、名古屋圏が81.8(同11.8ポイント上昇)。「先行き」(6ヵ月先の予測)は、東京圏が61.4、大阪圏は62.9、名古屋圏が68.2と、いずれも現在よりも慎重な見方が強まっている。
東京圏よりも大阪圏や名古屋圏の上昇ピッチが大きく、特に名古屋圏の上昇ピッチが大阪を上回っている。東京圏での高値買いを嫌った投資マネーが大阪圏に流れ込んだ結果、大阪圏でもAクラスビルの取引利回りが3.0%台まで低下し、今度は大阪圏での高値買いを嫌った投資マネーが名古屋圏に向かった証拠との見方をしている。
住宅地指数の「現在」は、東京圏69.6(同3.6ポイント上昇)、大阪圏66.2(同4.2ポイント上昇)、名古屋圏77.3(同12.3ポイント上昇)となった。「先行き」は、東京圏57.4、大阪圏54.8、名古屋圏63.7といずれも現在よりも慎重な見方が強まっている。
人口減少社会にもかかわらず、三大都市圏では住宅地でも上昇ピッチが強まっている。住宅地の指数にはエンドユーザーのマイホーム需要以外にレジデンス系ファンドの投資需要も反映されるため、名古屋圏における上昇ピッチの強まりは商業地と同様に投資マネーの動向によるものと考えることができるとした。また、「名古屋」駅周辺では再開発事業がひと段落し、リニア効果で高騰するマンション価格が地価を牽引している可能性があるとした。