東京都は22日、平成31年度都予算に対する各種団体からの知事ヒアリングをスタート。11月27日まで都内の各業界団体等から意見を聞き取る。23日には、(公社)東京都宅地建物取引業協会と(公社)全日本不動産協会東京都本部が、小池百合子都知事に要望をアピールした。
都宅協からは、会長の瀬川信義氏をはじめ役員が出席。「空き家の流通促進」「木造密集地域解消と改善策に対する支援」「無電柱化推進策への支援」の3点を要望した。空き家対策については、区市町村が持つ空き家所有者情報を各地域の宅建事業者と共有することで、対策の推進に大きな効果が見込めるとして、空き家所有者に係る固定資産税情報の開示を求めた。また、防災の観点から木密地域の解消、無電柱化の推進についても提案した。
この要望に対して小池都知事は都として対応していく旨を明らかにした上で、「無電柱化は不動産価値の上昇につながる。不動産事業者の皆さんの協力を仰ぎたい」と述べた。
全日東京からは本部長の中村裕昌氏と役員が出席し、「都市整備の推進」「空き家・空き地対策」「既存住宅流通推進の支援」「適正な民泊サービスの実現」「ワンルームマンション規制の見直し」「中小不動産事業者への融資」の6項目を要望した。既存住宅流通の推進については、不動産担保価値の見直しを都に求めたほか、平成30年度からスタートした既存住宅流通促進事業支援補助制度については、複数事業者によるグループ登録要件の見直しを盛り込んだ。このほかにも、ワンルームマンション規制については最低専有面積の20平方メートルへの緩和や、無許可民泊の取り締まり等の体制整備も要望した。
これらに対し小池都知事は、「木密地域対策は防災対策として喫緊の課題。不燃化の取り組みはこれから、難易度の高い地域にも取り組んでいくこととなる。流通促進に対しては、都として必要な対応を図っていく」と述べた。