(株)矢野経済研究所は3日、2017年度の国内クラウドファンディング市場の調査結果を発表した。
18年8~10月にクラウドファンディング運営企業、利用企業等を対象に調査した。
17年度(17年4月~18年3月)の国内クラウドファンディング市場規模は、新規プロジェクト支援額ベースで1,700億円(前年度比127.5%増)と推計。
類型別の新規プロジェクト支援額は、購入型が約100億円(構成比5.9%)、寄付型が約7億円(同0.4%)、ファンド型が約50億円(同3.0%)、貸付型(ソーシャルレンディング)が約1,534億円(同90.2%)、株式型が約9億円(同0.5%)となった。 貸付型が全体の9割を占めており、依然として市場拡大に大きく寄与している。一方、購入型はサービス参入企業数が最も多いが構成比では5.9%となった。
新規プロジェクト支援者数は前年度比で倍増し、年度内で延べ137万人となり、1万5,321プロジェクトを支援した。中でも、購入型が大きく寄与しており、支援者数全体の58%(79万人)を占めている。
新規支援プロジェクト件数では、16年度の購入型の件数シェアが約6割程度を占めていたが、17年度は貸付型(ソーシャルレンディング)の件数が増加したことで、購入型と貸付型が二分している結果となった。
貸付型については依然として、利回り競争が過熱し、投資期間が比較的短期で支援者の投資意欲が旺盛なことから、組成本数の増加に拍車をかけている。一方、購入型では、16年度に続き「地方活性化・創生」プロジェクトやものづくりなどの「プロダクト系」が件数増加を後押しした形となり、堅調に推移した。
18年度はいずれの類型も支援額は増加見込であり、国内クラウドファンディング市場は新規プロジェクト支援額ベースで、2,044億円(前年度比20.3%増)となる見込み。