不動産ニュース / 調査・統計データ

2019/2/7

地場景況感、近畿は賃貸・売買ともに過去最高

 不動産情報サービスのアットホーム(株)は7日、「地場の不動産仲介業における景況感調査(2018年10~12月期)」を発表した。
 北海道、宮城県、首都圏(1都3県)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の13都府県14エリアにおいて、前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出。「50」を前年並みとする。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる2万4,472店の経営者層を対象にインターネットで調査した。調査期間は18年12月13~24日。有効回答数は1,263店舗。

 当期の賃貸仲介の業況DIは、首都圏が45.4(前期比0.8ポイント上昇)、近畿圏は47.9(同0.4ポイント上昇)と、いずれもわずかながら上昇。特に近畿圏は過去最高値を更新した。

 エリア別に見ると、首都圏では、東京都は23区(47.7)・都下(45.4)がいずれも前期比で上昇している一方、千葉県(41.9)は3期連続の低下となった。過去最高値を更新した近畿圏では、京都府が52.8(同7.8ポイント上昇)と大幅上昇し、DI=50を超えた。

 19年1~3月期の見通しDIは、首都圏が47.9、近畿圏が50.8と上向きで、近畿圏は50を超えている。

 回答した不動産店からは、「増税前の建て替えに伴う短期貸しが増えた」(千葉県流山市)や「賃貸条件について、低価格路線であり慎重かつシビアである」(兵庫県神戸市)といった声が聞かれたほか、「民泊経営希望、外国人入居者希望が増えた」(福岡県福岡市)といった、コメントが寄せられた。

 売買仲介の業況DIは、首都圏が45.2(同0.7ポイント低下)とほぼ横ばいで、前年同期比ではマイナス2.4ポイント低下となった。近畿圏は50.2(同4.9ポイント上昇)で、賃貸と同様、調査開始以来最高となった。近畿圏の業況がDI=50を超えるのは今期が初。

 調査開始以来最高となった近畿圏3エリアの業況DIはいずれも前期比で上昇。京都府(53.1)・大阪府(50.3)は前期比大幅上昇でDI=50超えを達成。特に大阪府は前年同期比でもプラス6.2ポイントと大幅上昇し、過去最高となった。

 首都圏は東京23区(43.0)・都下(48.5)が前期比で低下。特に都下はマイナス5.1ポイントの大幅低下となった。一方、千葉(52.1)は2期連続上昇し、DI=50超となった。

 見通しDIは、首都圏が46.7、近畿圏が54.7となり、9エリアで上向きとなった。 

 不動産会社からは、「使用していない相続不動産の売却が増えた」(神奈川県鎌倉市)や、「インバウンドバブルはそろそろ終焉。消費税率の引き上げをにらんだ購入客が散見された」(京都府京都市)といった市場動向についてのコメントのほか、「大震災バブルが終了し、その反動が非常に大きい」(宮城県仙台市)といった声も聞かれた。

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。