不動産ニュース / 仲介・管理

2019/2/18

住み放題のコリビングサービスを始動/アドレス

「2030年にはコリビングを当たり前にしたい」と語るアドレス社長の佐別当隆志氏

 シェアサービス会社等が出資する(株)アドレス(東京都千代田区、代表取締役社長:佐別当 隆志氏)は18日、4月に事業を開始する多拠点コリビングサービス「ADDress」の優先会員募集を開始した。

 同サービスは、全国の空き家や遊休不動産を活用した多拠点居住のシェアサービス。毎月定額の会費を「家賃」として支払うことで、全国の拠点に自由に「住める」。各拠点は、会員の個室を確保し、シェアハウスと同様に水回りやリビングは共有して居住コストを下げる。地方都市の空き家や、有力な観光資産にもなる町家や古民家、自治体の保養所等を同社が借り上げ、同社負担でリノベーションし、会員の住まいとして提供する。各地のシェアハウスや民泊の遊休期間の借り上げも行なう。

 同社と会員との間で、希望する拠点の固定ベッドの賃貸借契約を締結すると同時に、他の個室の共同賃貸借契約を締結することで、多地域居住を可能とする。契約は1年が基本。1ヵ月単位で拠点の引っ越しも可能。料金体系は、年会員48万円(月4万円)、月会員は月額5万円、法人会員が月額8万円(1アカウントの法人内共有)。個別会員の占有を防ぐため1個室の予約は1週間まで、予約の上限日数は14日とする。

 現在確定している拠点は、全国11拠点(千葉県2ヵ所、東京都2ヵ所、神奈川県1ヵ所、静岡県1ヵ所、群馬県1ヵ所、福井県1ヵ所、徳島県2ヵ所、鳥取県1ヵ所)だが、4月までに倍増させる予定。栃木県日光市や宮崎県日南市で開業準備中。空き家戸建てに加え、ゲストハウスや民泊の一時利用も含む。同様の泊まり放題サービスを展開する事業者2社と提携。買取再販会社の(株)カチタスから買取リノベ済み物件を借上げるほか、滋賀県大津市と提携し、同市の遊休企業保養所を活用する予定。また、地域との交流を深めるため、地元の移住者などを管理人(家守)として契約し、地域と連携した各種イベントも行なっていく。

 優先会員(25名)の募集は、クラウドファンディングのプラットフォーム、「Makuake」を通じて実施。お試し会員やワンデー会員含め、2,000万円を調達する。また、法人会員として、(株)リクルート住まいカンパニーやユニリーバ・ジャパン・ホールディングス(株)など5社が決まっている。

 同日会見したアドレスの佐別当社長は「地方の空き家問題が深刻である一方、地方で活躍したい若者に対しては支援制度もなく、空き家購入のハードルは高い。われわれの事業は、地域と都心を行ったり来たりできる“人口のシェア”でこれらの課題を解決するもの。12月に構想を発表してから20~30歳代中心に1,150人から反響を得ている。3割は地方から都心に来たいというユーザーだ」とし「2030年までに100万会員、20万拠点、100万室を提供し、コリビングを当たり前にできれば」と抱負を語った。

この記事の用語

シェアリングエコノミー

空き状態にあるモノや技能の個人間の貸し借りを、情報通信システムを活用して仲介するサービス。英語でSharing economy。

続きはR.E.wordsへ

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年5月号
住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/4/5

「月刊不動産流通2024年5月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年5月号」の発売を開始しました。

さまざまな事情を抱える人々が、安定的な生活を送るために、不動産事業者ができることとはなんでしょうか?今回の特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」では、部屋探しのみならず、日々の暮らしの支援まで取り組む事業者を紹介します。