不動産ニュース / 調査・統計データ

2019/8/16

首都圏マンション価格、中央値と平均値の差が拡大

 (株)不動産経済研究所は15日、首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)における、新築分譲マンションの戸当たり価格および専有面積の中央値を集計し、平均値と比較した結果を発表した。

 マンションの価格は、2009年から12年までは、平均値が4,500万~4,700万円台程度、中央値が4,100万~4,200万円台と、平均値と中央値の差は300万~400万円台で安定的に推移。平均値、中央値ともに上昇が始まり、13年から平均値が4,929万円、中央値が4,348万円に上昇、その差は581万円に広がった。
 以後、施工費の上昇による物件価格の高騰、都心部の高級マンションの供給などにより平均価格が高騰。一方、中央値の上昇は比較的緩やかで、15年には平均値が5,518万円、中央値が4,798万円と、差は720万円にまで拡大した。16年には中央値の上昇により、平均値(5,490万円)との差は562万円に縮小したものの、平均値が5,908万円まで上昇した17年には、その差は再び710万円に広がった。18年は、その差が673万円となっている。

 19年上半期(1~6月)の戸当たり価格については、都心部の高級タワーマンションの発売などにより、平均値は6,137万円と、1991年(6,450万円)以来の6,000万円台に。前年同期の5,962万円と比較すると175万円、2.9%の上昇。一方、戸当たり価格の中央値は5,399万円で、前年同期(5,288万円)比111万円、2.1%の上昇で、平均値との差は738万円だった。
 下半期には、オリンピック選手村跡地に開発予定の物件「HARUMI FLAG」(東京都中央区)のほか、都心部や湾岸部などでさらに大型タワーマンションが発売されることから、価格は平均値、中央値ともにさらに上昇する可能性が高いと予測している。

 専有面積の平均値と中央値の推移をみると、09年から14年までその差は一貫して縮小しており、14年には平均値が71.16平方メートルと、中央値の71.11平方メートルを逆転して0.05平方メートル広くなっている。しかしその後、平均値は中央値以上に縮小。15年には70.80平方メートルと再び中央値(71.21平方メートル)より小さくなると、18年には67.58平方メートルにまで縮小し、70平方メートル台を維持している中央値との差は2平方メートル以上にまで拡大した。
 上半期の専有面積をみても、平均値は67.69平方メートルと、前年同期に比べ0.48平方メートル、0.7%の縮小。中央値も70.25平方メートルで同0.11平方メートル、0.2%縮小したものの、平均値より縮小幅は小さく、その差は2.56平方メートルに広がっている。
 今後も、専有面積は平均値、中央値ともに価格抑制で縮小傾向は変わらないものの、「HARUMI FLAG」の専有面積が平均80平方メートル台と広いことから、一時的にはその傾向に歯止めがかかる可能性があるとしている。

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