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2019/10/21

耐震補強工事、ネックはコスト/木耐協

 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)は、同協同組合で実施した耐震診断に関する調査データを公表した。1950~2000年5月までに着工した木造在来工法2階建て以下の住宅の診断2万7,235件が対象。

 診断の結果、「倒壊しない」(評点1.5以上)との結果を得たのは366件で構成比は1.34%、「一応倒壊しない」(同1.0~1.5未満)が1,981件・7.27%と現行の耐震性を満たしているという結果になったのは1割以下だった。一方、現行の耐震性を満たさず、「倒壊する可能性がある」(同0.7~1.0未満)は4,657件・17.10%、「倒壊する可能性が高い」(同0.7未満)は2万231件・74.28%となった。

 このうち、1981年以降に着工した新耐震基準の住宅は、「倒壊する可能性がある」が21.82%、「倒壊する可能性が高い」63.94%と、合わせて85.76%が現行の耐震性を満たさないという結果になった。なお、旧耐震基準の住宅の場合は、「倒壊する可能性がある」「倒壊する可能性が高い」を合わせて97.25%となった。

 また、耐震診断後に実施したアンケートで、「今後の耐震補強工事の意向がない」と回答したユーザーにアンケートを実施。その理由としては「補強費用が高い」が43.90%で最も高く、「地震がきたら仕方がない」が27.03%だった。旧・新耐震の住宅に分けて集計すると、旧耐震の住宅では「建て替えを検討する」という回答の比率が新耐震に比べて高くなっている。

 補強工事の検討者に、予算感を聞いたところ、「50万~100万円未満」が33.19%で最多。ついで「100万~200万円未満」が26.47%、「50万円未満」が19.33%と、200万円未満までで約8割を占めた。

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新耐震基準

建築物の設計において適用される地震に耐えることのできる構造の基準で、1981(昭和56)年6月1日以降の建築確認において適用されている基準をいう。これに対して、その前日まで適用されていた基準を「旧耐震基準」という。

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