不動産ニュース / 開発・分譲

2019/10/23

つくばに「W350」研究拠点が完成/住林

「新研究棟」外観。手前は雨水の流出量を調整する「レインガーデン」
1階にある大空間のギャラリー。壁柱は単板積層材のブロックを市松状に積み上げている

 住友林業(株)は21日、筑波研究所(茨城県つくば市)の新研究棟が完成し、オープニングセレモニーを開催した。

 新研究棟は、2018年2月発表の「W350計画」(創業から350周年を迎える41年を目標に高さ350mの木造超高層建築物の建築を目指す研究技術開発構想)の研究拠点。木造3階建て、延床面積2,532平方メートル。高さ15m超で、5階建てクラスに匹敵する準耐火構造の建物。新研究棟で使われている技術は、「W350計画」の礎となる。総事業費は約25億円。

 壁柱は単板積層材のブロックを市松状に積み上げ、その中に鋼棒を貫き水平力に抵抗する、ポストテンション構造を採用。ニュージーランドが発祥の同構造は、同社が日本での実施権を取得し進化させ、オリジナルの木造構造に仕上げた。建物の木材の使用量は壁柱、柱・梁、床で約1,000立方メートル、CO2の固定量に換算すると約700t。

 1階はギャラリー空間で、イベントスペースとして活用する。2階は140名を収容できる執務空間。3階は100名収容可能な大会議室と屋上テラスを設けた。

 ゼロエネルギービルディング(ZEB)を目指し、屋上にソーラーパネルを設置した他、自然通気を導入。1~3階の中央部分は吹き抜け空間にして、自動開閉窓、廃棄窓を設置した。また、木質バイオマス燃料を燃焼した熱から冷温水を作り、冷暖房に活用。ガス焚き冷温水器を併用して、冷暖房の負荷低減を図っていく。

 緑化の取り組みとしては、1階の室内緑化「インナーコートヤード」に太陽の熱量・光が当たるよう、オリジナルの特殊な形状の採光ルーバーを設置。年間を通して、室内照度の実験・検証等を行なっていく。外壁面では、北面と南面に特別形状の外壁の緑化を採用、管理技術等を構築していく。

 また、屋上テラスでは、漏水・風による倒木や枝葉の飛散対策を検証。庭には「レインガーデン」を設け、ゲリラ豪雨の際の雨水の流出量のコントロールの検証等を行なっていく。

 なお、新研究棟は、国土交通省の推進する「平成29年度 サステナブル建築物等先導事業(木造型)」に採択されている。また、木造ビルで全館避難安全検証の大臣認定を取得したのは国内初となる。

 同社代表取締役社長の市川 晃氏は「新研究棟、W350はオープンイノベーションで、たくさんの方々の知恵とアイディアをいただきながら、技術革新を進めていく」などと述べた。

1~3階の吹き抜け空間。室内に太陽光が届くように、天井には独自開発の採光ルーバーが設置されている
室内緑化は、採光ルーバーから太陽の熱量・光を受ける。人工地盤とコンクリートを打たない土のままの自然地盤を用意。ビル内でどのような育成の違いがあるのか等を検証する

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