不動産ニュース / 開発・分譲

2019/10/30

南極移動基地ユニットを公開/ミサワホーム他

南極移動基地ユニット

 ミサワホーム(株)は29日、国立研究開発法人宇宙航空開発機構(JAXA)、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所、(株)ミサワホーム総合研究所とともに、南極での実証実験に取り組む「南極移動基地ユニット」を、報道陣に公開した。

 4者は、極限環境下での持続可能な住宅システムの構築に取り組んでいる(関連ニュースはこちら)。将来的には宇宙探査への応用も目指していく。

 ミサワホームは、持続可能な住宅システムの構築は、将来起こりうる社会や暮らしの変化に対応する「未来住宅」の実現につながるとし、移動しながら生活できる自立移動型「南極移動基地ユニット」を開発。同ユニットは、1基の長さ約6m、幅約2.4m、高さ約3mのコンテナ型。鉄骨ラーメン構造と木質パネルを組み合わせており、断熱・気密性は、同社の技術をベースに、北海道のZEH基準の倍の性能を目指して作った。2つのユニットを現地で組み合わせることで、床面積約33平方メートルの部屋にすることができる。
 建築の専門家ではない観測隊員でも組み立てられるよう、簡易化されている他、自然エネルギーの活用として、太陽光発電パネルを壁面に設置。CO2濃度制御と連動した換気システムや換気量の最適化によりエネルギーと熱ロスの削減を図る。また、躯体センサーや周辺環境のモニタリング等を行ない、各データの分析も行なっていく。

 2020年2月から、昭和基地で第61次南極地域観測隊による実証実験が行なわれ、機能の検証や今後の課題を抽出する。

 会見で同社取締役専務執行役員の作尾徹也氏は、「未来住宅に向けた技術について検証し、フィードバックを繰り返しながら、将来的には宇宙探査へ応用できるところまでもっていきたい」と抱負を述べた。

ユニット内部。内陸観測隊員の打ち合わせ、食事スペースを想定
ユニット内のCO2濃度をモニタリングセンサーが設置されている。異常があるとアラートが発報される

記事のキーワード 一覧

動画でチラ見!

第18回 ジバコー 「原点」を語る

ニュースはこちら

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2025年5月号
「事故物件」、流通の課題は?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2025/4/21

「記者の目」を更新しました

有事に立ち向かうエリアマネジメント」を公開しました。

エリアの価値向上に大きく寄与する複合開発。住宅や商業施設、公共施設、教育施設や図書館、クリニックなどが一体的に整備されることで、再開発されたエリア内で日常生活が完結できるような、利便性の高い生活環境が整うケースもありますが、その規模感の大きさから有事の際に全体が連携できるのかといった懸念も…。今回は、オフィスビル・賃貸マンション・分譲マンションの3棟からなる複合開発「MEGURO MARC」を取材。防災対策の本音を調査しました。