不動産ニュース / 仲介・管理

2020/1/28

地域のシンボル、板橋宿の街道商家を再生

「板五米店」外観。築後、優に100年を超える商店兼住居の町家。和洋折衷が流行した大正時代らしい、両袖の煉瓦壁が特徴的
米屋が営まれていた店頭はさまざまな調度品がそのまま残してある。写真は仏具が収められている収納

 東京都板橋区を中心に空き家再生、不動産プロデュース等を手掛ける(株)向こう三軒両隣(代表取締役:永瀬賢三氏)がリノベーションを進めていた「板五米店(いたごこめてん)」が完成。27日、関係者に公開した。

 同社は、板橋に支店を構える不動産流通会社の価値住宅(株)や地元の商店主などが共同出資して2018年に立ち上げたまちづくり会社。これまで、旧中山道沿いの元牛乳店をカフェ兼コワーキングスペースに改装した実績がある。

 「板五米店」は、旧中山道に面する1914年(大正3年)築の商家で、かつては米店として営業していた。2階建て、建築面積は約144平方メートル。街道面が大きく開口、大きな庇を持つ土蔵造・寄棟造の店舗、その奥が木造軸組の住居。建物両脇に煉瓦造の袖壁を持つ和洋折衷のデザインが特徴。街道沿いに唯一残る昔ながらの商店であり地域のシンボルでもあったが、コスト等の問題もあり廃店後はそのまま放置されていた。そこで同社が、建物のたたずまいをそのままに、板橋宿の発信拠点としての改修をオーナーに提案した。

 文化財申請も行なっていることから、改修に当たっては室内外の独特の意匠は極力そのままとし、店舗の一部を厨房として「おむすび」を売りとしたカフェにして同社が運営する。2階はワークショップスペース、貸し切り個室とした。営業時に使われていた金庫や帳場机といった調度品もそのままギャラリーとして展示。軒先にはベンチを出し、観光案内所としての機能も持たせた。

 煉瓦壁の倒壊を防止するため、両壁の間を引張鉄筋4本で結節していることもあり、特別な耐震補強は行なっていない。改修コストは約2,400万円。商店街のにぎわい創出事業の目的での改修として、東京都と板橋区から3年間にわたり補助金を受けるほか、クラウドファンディングでも370万円余を調達している。

独特の意匠はそのまま残しながら、多目的に使えるよう改修。2階はイベントスペース等に活用していく

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前編に引き続き、築古の公営住宅を、現代のライフスタイルに合った魅力的な物件に再生した事例を紹介。小さな子供を持つファミリー層向けに、さまざまな工夫を施しています。