不動産ニュース / 決算・業績・機構改革

2020/4/30

PLT、初の中期経営計画。新築偏重から脱却へ

 プライム ライフ テクノロジーズ(株)(PLT)は30日、2030年までの中長期ビジョンと共に、20年度(21年3月期)を初年度として22年度を最終期とする中期経営計画を発表した。新型コロナウイルスの影響により、プレス向けの説明動画を配信。同社代表取締役社長の北野 亮氏が説明した。

 同社はトヨタ自動車(株)、パナソニック(株)、三井物産(株)の出資によって20年1月に設立した。トヨタホーム(株)、ミサワホーム(株)、パナソニックホームズ(株)などを傘下としている。戸建て請負などの「新築請負事業」、分譲・開発を手掛ける「街づくり事業」、賃貸管理やリフォームの「ストック事業」、非住宅建設等の「建設事業」、「海外事業」の5領域で事業セグメントを構成している。

 19年度の連結売上高は1兆180億円(前期比1.0%増)だったものの、新築事業・街づくり事業での販売減が響き営業利益190億円(同14.4%減)となった。

 同社では、新築住宅の需要減少や、リフォームをはじめとしたストック事業に対する需要の底堅さ、ASEAN諸国を中心とした不動産・住宅需要の強さに加えて空き家問題など社会課題解決による新需要への期待などを踏まえ、30年度の売上高1兆2,000億円、営業利益率10%を目指す。また、30年度には住宅メーカー、ビルダー、ディベロッパーとしての機能に加え、タウンマネジメントや暮らしサービスなども提供して生活空間にも踏み込んで事業展開する「まち興し事業者」への成長を見込んでいる。

 その上で、最終年度までの行程を「フェーズ1」(20~22年度)、「同2」(23~25年度)、「同3」(26~30年度)の3フェーズに分け、それぞれ重点テーマを設定。今回策定した中期経営計画は「1」に当たり、新築請負事業を中心に事業を組み立てる中で、利益重視の体質を強化。同事業の着工減による減収はストック事業でカバーしていく。22年度の数値目標は売上高1兆600億円、営業利益450億円。

 新築請負事業については、19年度の売上高比率61%から、22年度は54%まで抑える考え。住宅メーカー3社のそれぞれの強みを生かしつつ、それぞれの持つ技術を横展開することで収益の改善や、新サービスを打ち出していく。
 ストック事業については、リフォーム分野の増員を進めるほか、賃貸住宅管理だけでなく非住宅の管理や不動産仲介等にも事業の幅を広げていく。
 街づくり事業については、同3社の大型案件を連携プロジェクトとして進め、各社の強みを生かしたシナジー効果創出を狙う。また、不動産証券化を活用した出口戦略も検討していく。
 建設事業については、フェーズ2に向けて人材の投入・育成を加速するほか、新技術やビジネスの開発を急ぐ。
 海外事業では、現在の請負中心から分譲中心にシフトしていく計画。

 北野氏は「単に建物を建ててお客さまに引き渡すビジネスモデルでは、今後存在意義を失っていくだろう。テクノロジーを生かし、人と社会がつながるまちをつくることが当社のミッションとなる」などと話した。

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