不動産ニュース / 調査・統計データ

2020/5/8

首都圏新築M管理費・修繕積立金、10年で2割上昇

 (株)東京カンテイは7日、首都圏の新築マンションにおける管理費、修繕積立金の推移について調査・分析した。

 月額平均の管理費は、2019年が1万9,085円で、15年以降5年連続で上昇している。修繕積立金は19年が7,826円で、16年以降4年連続で上昇した。直近10年間(10年から19年)の上昇率は、管理費が18.4%上昇(10年:1万6,116円)、修繕積立金が22.1%上昇(同:6,410円)と、どちらも大きく上昇している。合算した金額は2万6,911円となり、10年間で19.5%上昇(4,385円上昇)。新築価格と連動して管理費・修繕積立金が値上がりしていることが分かった。

 戸数規模別に分析したところ、管理費は15年以降の各都市で50戸未満が最も高く、一方で200戸以上、または300戸以上の区分で最も安くなる傾向を確認。200戸以上500未満のマンションではスケールメリットが働いている現状が確認できた。しかし、500戸以上の規模では管理費の高いタワーマンションの比率が高まり、年々管理費が上昇する傾向に。

 修繕積立金についても、50戸未満と500戸以上の区分で高額になる傾向が見られた。なお、修繕積立金が最も安くなる戸数規模は200戸以上と300戸以上の区分に集中しており、17年から19年で特にその傾向が顕著。50戸以上と100戸以上の区分では7,000円台であったのに対し、200戸以上と300戸以上の区分は6,000円台と、差がはっきりと表れた。

 最高階数別に見ても、管理費・修繕積立金のいずれも、15年以降すべての都市で20階以上のタワーマンションが20階未満の物件の金額を上回っている。

 なお、東京23区の既存マンションについて見てみると、管理費は築1年の2万5,211円が最も高く、その後急落して築5年には1万8,792円であった。修繕積立金は、築1年が7,739円で、築4年まではほぼ横ばいの推移。築5年を境に明らかな上昇が確認でき、その後も比較的大きく上昇を続け、築10年では1万3,278円と築1年の1.72倍の水準に達している。

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修繕積立金

管理組合が長期修繕計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。区分所有者は、管理組合に対して、通常、管理費と特別修繕費を納入するが、この特別修繕費を毎月積み立てたものが「修繕積立金」である。

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