(株)帝国データバンクは11日、「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2020年)」結果を発表した。調査は5月18~31日、全国2万3,675社を対象に実施。有効回答数は1万1,979社。毎年実施しており、今回で5回目となる。
自社におけるBCP策定状況は、「策定している」が16.6%(前年比1.6ポイント増)、「現在、策定中」9.7%(同2.4ポイント増)、「策定を検討している」26.6%(同3.4ポイント増)とそれぞれ増加。調査開始以降で最も高くなり、BCPの策定に対する意識は高まっている。業界別では、不動産業は10.4%と9業種中で最低に。建設は14.9%。「今回の新型コロナウイルスの感染拡大で、あらためて平時において検討しておくことの重要性を認識した」などの声が挙がっている。
BCPを「策定意向あり」とする企業に対し、事業継続が困難になると想定するリスクについて聞いたところ、全体では「自然災害」が70.9%(同1.6ポイント減)でトップに。以下、「感染症」69.2%(同44.3ポイント増)、「取引先の倒産」39.0%(同8.7ポイント増)と続いた。不動産業は、「自然災害」68.5%、「感染症」60.6%、「取引先の倒産」27.3%。
BCPを「策定している」企業に対し、BCP策定の効果について尋ねると、「従業員のリスクに対する意識が向上した」が57.4%(同1.9ポイント減)でトップ。以下、「事業の優先順位が明確になった」37.7%(同4.8ポイント増)、「業務の定型化・マニュアル化が進んだ」35.5%(同0.1ポイント増)と続いた。
BCPについて、「策定していない」企業に理由を聞いたところ、「策定に必要なスキル・ノウハウがない」41.9%(同2.0ポイント減)、「策定する人材を確保できない」28.7%(同5.0ポイント減)、「書類作りで終わってしまい、実践的に使える計画にすることが難しい」28.6%(同0.7ポイント増)、「自社のみ策定しても効果が期待できない」23.6%(同0.4ポイント増)が上位に。前年と同様の理由が上位に挙げられており、BCP策定に向けが課題の解決が進んでいない実態がうかがえた。