不動産ニュース / 調査・統計データ

2020/7/20

複数拠点生活、一定の購入需要見込む

 (一社)不動産流通経営協会(FRK)は20日、「複数拠点生活に関する基礎調査」の結果を発表した。

 近年新たなライフスタイルとして注目を集めている「複数拠点居住」についての基礎調査を行ない、理解を深めるのが目的。調査は3月19~29日、全国の20~79歳の男女を対象に、スクリーニング調査を実施、その上で複数拠点居住を実施している人と、複数拠点居住の意向がある人にアンケート調査した。スクリーニング調査の上、分析対象者5,200サンプルを抽出した。

 複数拠点生活を「現在行なっている」と回答したのは6.6%、「過去に行なったことがある」は7.4%。また、「今後したいかと考えて具体的に場所探しなどの行動をしている」人は1.1%、「具体的な行動には至っていないが、今後したいと思っている」のは6.0%だった。これら回答比率から、実施者は約617万人、意向者は約661万人の市場ボリュームがあると推計した。

 複数拠点生活の実施者と意向者に、複数拠点生活の実施目的について聞くと、実施者では「自分の時間を過ごすため」が11.3%で最多。次いで、「会社都合の転勤・単身赴任」が10.2%、「避暑・避寒・癒し・くつろぎのため」が9.6%となった。一方で、意向者は「自分の時間を過ごすため」が16.1%で最も多く、「避暑・避寒・癒し・くつろぎのため」が13.3%、「自然を感じられる環境で過ごすため」が11.8%となった。FRKでは、「実施者の意向は、ポジティブな目的とネガティブな理由が入り混じるが、意向者については上位5項目がすべてポジティブな理由だった」とした。

 サブ拠点(2つ目の生活拠点)の住居種別について、実施者では持ち家が75.3%。内訳は戸建てが49.9%、マンション・アパートが21.7%、その他が3.7%だった。賃貸は19.8%にとどまり、内訳は戸建てが3.4%、マンション・アパート13.4%、その他が3.1%となった。一方、意向者は持ち家が63.5%で、内訳は戸建てが37.5%、マンション・アパートが21.1%、その他が4.9%。賃貸は30.2%で、内訳は戸建て6.6%、マンション・アパート15.4%、その他8.2%だった。「戸建ての持ち家という回答が多く、実家の相続などが含まれると考えられるが、実施目的などを考えると一定の物件購入ニーズがあると言える」(FRK)と分析する。

 また、意向者に対して複数拠点生活の実現可能性を高めるためにどういった要素が必要かを尋ねたところ、最も多かったのは「自分の収入が増える」で44.9%。次いで、「新たな滞在先を持つための初期コストや維持費を抑える方法が見つかる」が30.1%と続いた。さらに、「新たな滞在先の住居を購入する際に税制優遇が受けられる」18.0%、「新たな滞在先の購入のための住宅ローンが組める」10.8%など、複数不動産の所有をサポートする仕組みが必要だという声もあった。

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