不動産ニュース / 開発・分譲

2020/7/31

「住む」と「働く」を明確に分けない賃貸レジ

最も広い2LDK住戸のLDK。梁がないため、空間をより広く感じられる

 (株)髙木ビル(東京都港区、代表取締役・髙木秀邦氏)は30日、新築賃貸マンション「BIRTH IN-RESIDENCE(バースインレジデンス) 麻布十番」(東京都港区、総戸数17戸)のプレス向け見学会を開いた。

 東京メトロ南北線他「麻布十番」駅より徒歩4分。敷地面積は183.54平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造地上8階建て、専有面積は32.63~74.82平方メートル、間取りはワンルーム、1K、2LDK。賃料は18万~45万7,000円。同社が運営する「BIRTH」ブランドの複合型レジデンスとして保有・管理していく。

 「『住む』と『働く』の境界をグラデーションのようにあいまいにする」をコンセプトに開発した。主なターゲットは起業家などワーク・ライフの境界があいまいな生活を送っている人たち。契約形態は2年の定期借家契約で再契約可能。住宅としてだけではなく、SOHOや事務所としての利用も可能。

 建物は、階層を抑えて階高を3,400mm・住戸天井高2,700mmを確保。また、室内に梁の出が少ない「ボイドスラブ工法」を採用したことで、室内にスッキリとした大空間をつくった。住戸内は、大きな事務所スペースとしてもリビング・ダイニングとしても使える整形空間を配置し、多くの住戸ではキッチン等を引き戸で隠せるようにしている。
 収納スペースも広くし、業務用の備品等の保管にも使えるようにした。窓の配置についても「デスクを置き、ノートPCを開いた」状態で心地よく視線が抜けるよう、床面から約1,300mmの位置に設置するなど、細かな工夫を積み重ねている。なお、入居者は物件から徒歩数分の位置で同社が運営するシェアセッションスペース「BIRTH LAB」を入会金不要・月額1万円で利用できる。

 共用施設として、最上階の屋上空間「スカイラウンジ」と、1階エントランスの共用キッチン「BIRTH KITCHEN(バースキッチン)」を用意。スカイラウンジは住民が自由に利用できるラウンジスペースで、住民の憩いの場としての利用や、髙木ビルがイベント会場として利用していく考え。また、バースキッチンでは住民がちょっとした打ち合わせやワークスペースとして使える空間にするほか、地方の食材を活用したイベントなども随時開催していく計画。イベント時には地域住民や近隣で働く人たちにも開放していく。

 総事業費は土地取得費含めて5億円台半ばで、表面利回りは8~9%と試算する。ただ、土地を取得したのが2011年頃で、現在の価格水準よりも安価で取得し、これまでコインパーキングとして収益を上げていた実績もある。

 3月に竣工していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって募集を見合わせていた。7月16日から本格的に募集を開始しており、現在までに4戸の入居が決定している。

 髙木氏は「コロナ禍によって在宅ワークが一般化するなど、『住む』と『働く』の境界が一気にあいまいになりました。このタイミングで竣工できたことは大きい。麻布十番は住宅も事務所も集まる職住一体のまちで、多様な人が集まっています。そうしたまちの拠点となる物件にしていきたい」と語る。

屋上の「スカイラウンジ」は、円形を強調したデザインが特徴。目の前は再開発の公開空地なので眺望もよい
エントランスの「バースキッチン」は、ガラス扉を開放することでまちにも開いていく
「BIRTH IN-RESIDENCE 麻布十番」外観

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SOHO

Small-Office Home-Officeの頭文字で、小規模事務所や自宅で働く職場形態、もしくはその用途に対応した物件のこと。 都市郊外にコピー、FAXなどのOA機器を共用する賃貸型小規模SOHO施設も登場し、高齢者や主婦などがビジネスを展開するケースもある。

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