シービーアールイー(株)(CBRE)は5日、2020年第3四半期の投資市場動向調査の結果を発表した。
当期の事業用不動産への投資額は5,990億円(前年同期比26%減)。JREITによる投資額が3,050億円(同6%減)と減少したのに加え、その他の国内投資家が1,090億円(同68%減)となり、いずれも2期連続の減少。一方で海外投資家は1,860億円(同26%増)となり4四半期連続で前年同期を上回った。アセットタイプ別では、物流施設のみ同88%増となったほかは減少。主要アセットタイプではホテルの減少幅(同86%減)が最も大きかった。
「不動産投資に関するアンケート 期待利回り」(調査期間9月9~30日、有効回答数124名)によると、東京の期待利回りは、オフィス(大手町)が3.35%(前期比横ばい)、商業施設(銀座中央通り)が3.35%(同横ばい)で推移。物流施設(マルチテナント)は4.30%(同5bps上昇)となった。このほか、賃貸マンション(ワンルーム)は4.13%(同3bps低下)、賃貸マンション(ファミリー、城南・城西)は4.20%(同3bps低下)、ホテル(運営委託型)は4.98(同1bps低下)となった。地方都市のオフィスについては、広島が8bps上昇し、仙台と大阪が低下した。
2020年9月時点の東京Aクラスオフィスビルを対象としたCBRE短観については、「不動産取引量」がマイナス27(同19ポイント改善)、「売買取引価格」がマイナス23(同1ポイント悪化)、「NOI」がマイナス25(同2ポイント悪化)、「期待利回り」がマイナス19(同9ポイント悪化)、「金融機関の貸出態度」がマイナス1(同2ポイント改善)、「投融資取組スタンス」がプラス13(同1ポイント改善)となった。
今後の見通しについては現在、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、物流施設への投資実績のない投資家も関心を寄せていることから、特に、地方圏においては市場が拡大しており、物流施設への投資拡大を見込む。