東急(株)は12日、新しい生活様式に適合した移動・就労サービスの開発を目的に、新サービス実証実験「DENTO」を開始すると発表した。期間は2021年1月13日~4月28日。
コロナ禍で多くの人の移動や働き方が大きく変化し、通勤では、都心へのアクセス条件といった交通利便性に加えて、「脱密」などの新たなニーズが生まれ、テレワークの浸透により仕事に集中できる環境の整備が求められている。
そこで同実証実験では、利用者がTPOに合わせた最適な移動手段と就労場所を選択できるようにすることで、東急線沿線での自由な働き方の実現を目指す。ターゲットは田園都市線沿線に在住し、都心部に通勤する人だが、他の東急線ユーザーも利用可能。LINEの公式アカウントトーク画面で、会員登録、商品選択、デジタルチケットの購入、決済等をすべて行なえる。
鉄道以外の移動サービスとして、多摩田園都市地区と東京都心を往復する通勤高速バスなどを用意。また、同社サテライトシェアオフィスNewWork提携店や、東急グループのスポーツ施設・商業施設をワークスペースとして利用できるようにし、多様なテレワーク環境も整備する。その他、東急線の通勤定期保有者を対象に、沿線施設のクーポン等を発行。移動サービスと生活サービスをシームレスに提供し、各サービスの相性等を検証していく。
同日会見した同社交通インフラ事業部 戦略企画グループ MaaS戦略担当 課長の森田 創氏は、「コロナ禍によるニーズの変化で、当社も従来型の交通サービスのみを続けるのは厳しいと思っている。今回の実証で、どのサービス同士がつながれば沿線在住者の移動や購買活動が促進されるか検証し、今後の商品開発に生かしていく」などと語った。
今回の実験で「DENTO」の購買・利用データを分析し、21年度以降も順次提供エリアを拡大し、サービスの充実および実装を図っていく。