不動産ニュース / 政策・制度

2021/3/10

修繕積立金にリバースモーゲージの融資

 (独)住宅金融支援機構は9日、機構が事務局を務めている「マンションの価値向上に資する金融支援の実施協議会」の2020年度の取組結果と今後の方向性について公表した。

 同協議会は、高経年マンションが抱える課題や民間金融機関が認識している課題のうち、金融インフラの整備の観点から特に重要な課題についての取り組みの実施について検討するため19年度に発足。「マンション管理等関係団体分科会」と「民間金融機関・コンサルタント等分科会」により、マンションの維持管理・再生に向けた取り組みを進めた。

 「マンション管理等関係団体分科会」では、「マンションライフサイクルシミュレーション~長期修繕ナビ~」を20年9月にリリース。21年度は、ナビを補完する「マンション大規模修繕ガイドブック(仮称)」を作成。シミュレーション結果の活用方法の詳細解説のほか、マンションの年代別の仕様の特徴に応じた修繕工事の選択肢や資金的課題の解決方法等を掲載する。

 「民間金融機関・コンサルタント等分科会」では、経年マンション等における修繕積立金の不足分の資金確保を支援する区分所有者向けリバースモーゲージの融資について検討。同機構は今年4月から実施する予定。利用するためには、「融資金を修繕積立金の前払金としてマンション管理組合が一括して代理受領する」「融資金を修繕積立金のみに充当する」「充当された修繕積立金について、共用部分リフォーム工事のために使用する」「当該マンションからの退去等に伴い融資金を完済した場合でも、充当された修繕積立金は、マンション管理組合から返還されない」など、資金使途や管理組合の会計処理等について融資条件に該当するよう、マンション管理規約の改正等を行なう必要がある。そのため機構は、事前相談から開始する。

 また、マンション管理組合向け融資への民間金融機関の参入を支援するため、機構保有データ等を活用した管理組合向け融資における「与信モデル」の構築、同モデルを活用した「管理組合向けサービス」の展開に向けた取り組みも行なった。

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

リバースモーゲージ

持家を担保に生活資金を融資し、所有者の死亡もしくは契約終了時に一括返済する仕組みをいう。 時間の経過とともに融資残高が増加していき、最終的に一括して返済されることが特徴である。

続きはR.E.wordsへ

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年5月号
住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには?
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/4/5

「月刊不動産流通2024年5月号」発売開始!

月刊不動産流通2024年5月号」の発売を開始しました。

さまざまな事情を抱える人々が、安定的な生活を送るために、不動産事業者ができることとはなんでしょうか?今回の特集「『賃貸仲介・管理業の未来』Part 7 住宅弱者を支える 」では、部屋探しのみならず、日々の暮らしの支援まで取り組む事業者を紹介します。