不動産ニュース / ハウジング

2021/3/24

一般家庭の蓄電池活用した電力安定化を実証

「スマ・エコタウン 晴美台」外観

 大和ハウス工業(株)と、エリーパワー(株)、関西電力送配電(株)の3社はこのほど、エコモデルタウン「スマ・エコタウン 晴美台」(堺市南区、全65棟)内の一般家庭に設置された蓄電池を活用し、VPP(バーチャル・パワー・プラント)の実証実験を行なった。

 VPPとは、分散化された電源をIoT技術等の高度なエネルギーマネジメント技術で制御し一つの発電所のように機能させる仕組み。太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候などの気象条件により出力が変動するため、電源に占める再生可能エネルギー比率が高まると、系統の周波数を調整するための電源が不足し、電力品質の低下を招く恐れがある。その課題解決の一つとして、今回の実証実験が行なわれた。

 エコタウン内の住戸に設置済みのエリーパワー製の蓄電池のソフトウェアを周波数制御対応にアップデート。各戸で契約したインターネット回線を活用し、遠隔からの秒単位制御の検証を実施した。

 実験の結果、期待した成果を確認できたという。今後太陽光発電の自家消費やバックアップ用途として、すでに市場に設置された蓄電池をバージョンアップすることで、電力系統安定化に寄与できる周波数制御対応蓄電池として活用することが期待できるという。

 「スマ・エコタウン 晴美台」は、大和ハウス工業が開発したネット・ゼロ・エネルギ―タウン。全住戸に太陽光パネル、蓄電池、HEMSが備えられている。

VPP実証実験の仕組み

記事のキーワード 一覧

この記事の用語

蓄電池

放電と充電の両方が可能な電池をいう。電池は極と電解質で構成され、化学反応によって電流を発生させる(放電する)装置であるが、特定の極と電解質が組み合わさった場合には、放電とは逆方向に電流を流すことによって放電力が回復する(充電する)性質がある。

続きはR.E.wordsへ

新着ムック本のご紹介

ハザードマップ活用 基礎知識

不動産会社が知っておくべき ハザードマップ活用 基礎知識
お客さまへの「安心」「安全」の提供に役立てよう! 900円+税(送料サービス)

2020年8月28日の宅建業法改正に合わせ情報を追加
ご購入はこちら
NEW

月刊不動産流通

月刊不動産流通 月刊誌 2024年4月号
市場を占う「キーワード」
ご購入はこちら

ピックアップ書籍

ムックハザードマップ活用 基礎知識

自然災害に備え、いま必読の一冊!

価格: 990円(税込み・送料サービス)

お知らせ

2024/3/7

「海外トピックス」を更新しました。

飲食店の食べ残しがSC内の工場で肥料に!【マレーシア】」配信しました。

マレーシアの、持続可能な未来に向けた取り組みを紹介。同国では、新しくビルを建設したり、土地開発をする際には環境に配慮した建築計画が求められます。一方で、既存のショッピングセンターの中でも、太陽光発電やリサイクルセンターを設置し食品ロスの削減や肥料の再生などに注力する取り組みが見られます。今回は、「ワンウタマショッピングセンター」の例を見ていきましょう。