(株)東京カンテイは6日、2020年の分譲マンションの新築時価格と築10年流通時価格とを比較して算出したリセールバリューを、首都圏の駅別に集計して発表した。
首都圏の平均リセールバリューは101.9%(前年比7.6ポイント上昇)となり、08年に現行基準で調査を開始して以来初めて100%を超えた。20年の既存マンション平均坪単価は231万1,000円(同6.8%上昇)だったのに対して、10年前の新築平均坪単価は221万円(同0.5%低下)だった。「コロナ禍の影響で新築供給が抑制された分、旺盛な住宅需要が既存市場に流れたと推測できる。首都圏全体で100%を超えたのは長く続く低金利政策や近年の住宅取得支援策の効果が表れた結果だろう」(同社)。
駅別のリセールバリューでは、東急東横線「代官山」駅が164.3%(新築時420万7,000円、築10年流通時691万4,000円)でトップ。同エリアは13年に東急東横線が東京メトロ副都心線と相互直通運転を開始し、渋谷エリアでも再開発が進行したことでマンションの資産価値が大幅にアップした。2位は東京メトロ南北線「溜池山王」駅で145.8%(同422万8,000円、同616万6,000円)、3位はJR京浜東北線「桜木町」駅で141.2%(同264万3,000円、同373万2,000円)となった。
集計対象となった412駅のうち、リセールバリューが100%を超えたのは214駅(シェア51.9%)と、過半が資産価値を向上させた。次いで、リセールバリュー90%以上100%未満の駅は105駅(同25.5%)と、4分の3以上が新築時から90%以上となった。
上位30駅のうち「桜木町」駅を除く29駅が東京23区内に集中したものの、100%を超えた駅は東京都心部だけにとどまらず、JR「大宮」駅周辺や同「立川」駅周辺、同「横浜」駅周辺など、広範囲に分布している。「現在新築マンションが発売されているエリアは、おおむねリセールバリューが100%を超えているエリア。ディベロッパーもそうしたエリアを狙って供給している様子がうかがえる」(同社)。