不動産ニュース / 政策・制度

2021/6/8

M要除却認定基準に係る告示改正に向け案検討

 国土交通省は7日、2回目の「要除却認定基準に関する検討会」(座長:深尾精一首都大学東京名誉教授)を開き、基準の概要案等について検討した。

 2020年6月の「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」の改正により、老朽化したマンションなど、「要除却認定」の対象となるマンションの類型を拡充。(1)敷地売却・分割の対象および(2)容積率の緩和特例の適用対象を拡大した。(1)(2)については、「1.火災安全性に問題」「2.外壁等剥落」がある物件、(2)については「3.配管設備腐食等」「4.バリアフリーに問題」がある物件を加えている。同会では、これら4つに該当する物件が認定を受けるための判断基準について検討している。

 「1.火災安全性に問題」は、建築基準法の防火・避難規定に不適合で、簡易な修繕で適合させることが困難なものとしている。「2.外壁等剥落」は、鉄筋に沿った浮き・ひび割れ等が一定程度以上発生し、剥落の危険性が高いものを判定基準に設定。鉄筋コンクリート造および鉄筋鉄骨コンクリート造が対象。調査者が目視で4つの劣化グレードに分類した上、調査箇所数「8以上」「15以上」「30以上」別で策定した式によって劣化度を判定する。調査対象である8部位(外壁、階段室等)のうち少なくても1部位が式を満たすことが基準になるとした。

 「3.配管設備腐食等」は、スラブ下配管方式の排水管で、2ヵ所以上で漏水が生じているものを判断基準に。「4.バリアフリーに問題」については、建物出入口から多数の者が利用する居室(集会室等)または各住戸等に至る一の経路が、移動等円滑化経路に適用されるすべての基準に適合することを基準とし、これに該当していないものとした。

 また、各項目における調査者の資格要件については、「2.外壁等剥落」「3.配管設備腐食等」は、一級建築士、二級建築士等、「1.火災安全性に問題」「4.バリアフリーに問題」は建築基準適合判定資格者、建物の構造・規模に応じた建築士資格者等とした。国交省は、調査者向けの判定マニュアルを策定する予定。

 なお、同基準を盛り込んだ改正省令・告示のパブリックコメントを6月下旬~7月上旬に開始する予定。

 次回の検討会は8月頃に開催、パブコメの意見を反映した基準案について検討する。

この記事の用語

マンション建替え円滑化法

「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」を参照

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