不動産ニュース / 調査・統計データ

2021/6/10

オフィス面積、「縮小」が「拡張」を上回る

 (株)ザイマックス不動産総合研究所は9日、「大都市圏オフィス需要調査2021春」を発表。半年に1回、企業のオフィス利用の実態や働き方に関してアンケート調査を実施しており、今回が10回目。4月にザイマックスグループで管理運営するオフィスビルのテナント企業、サテライトオフィスサービス「ZXY」契約企業、(株)ザイマックスインフォニスタの取引先企業の42万6,161件を対象に調査した。有効回答数は1,648件。

 オフィスの在籍人数(出社の有無ではなくそのオフィスに籍を置く人数)は「増えた」との回答は18.6%で16年秋の調査開始以来の最低値に。「減った」は28.9%で、20年秋から増加している。オフィス面積については、「拡張した」が5.5%、「縮小した」が8.3%となり、今回初めて「縮小」が「拡張」を上回った。

 社員のオフィス出社率では、17.7%が「100%(完全出社)」と回答した一方で、28.9%は「出社率40%未満」に。コロナ収束後の意向については、「100%」が25.2%に増加するが、残り74.8%の企業は、頻度や程度に差はあるもののテレワーク実施意向があるといえ、この結果は20年秋調査とほぼ同様であった。

 入居中のオフィスにあるフレキシブルなスペースについて聞いたところ、トップは「オープンなミーティングスペース」(56.3%)で、「フリーアドレス席」(31.9%)、「リモート会議用ブース・個室」(31.7%)と続いた。
 固定席とフレキシブルなスペースにある座席の割合についての今後の意向は、「現状維持」(60.7%)の割合が最も高かったものの、「フレキシブルな席の割合を高めたい」(27.2%)が約3割を占めている。「フレキシブルな席の割合を高めたい」と回答した企業にその理由を聞いたところ、「テレワークにより出社人数が減ったため」(60.7%)、「在籍人数の増減に対応するため」(46.9%)、「社内コミュニケーション活性化」(35.3%)の順となった。

 今後のオフィス面積の意向については、「拡張したい」は10 .8%、「縮小したい」が16.4%で、20年春調査に引き続き「縮小したい」が「拡張したい」を上回った。今後はテレワークの普及やサテライトオフィスの利用拡大などにより、オフィスの在籍人数の増加が必ずしもオフィス面積の増加に直結しなくなる可能性を、同社では示唆している。

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ABW

雇用されている人が自分自身で働く時間と場所を決定する働き方。英語のActivity Based Workingの略語。

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