不動産ニュース / 調査・統計データ

2021/8/2

首都圏の大型物流施設空室率、2期連続上昇

 シービーアールイー(株)(CBRE)はこのほど、2021年第2四半期の物流施設市場動向を発表した。

 首都圏(195棟)の大型マルチテナント型物流施設の空室率は1.5%(前期比0.4ポイント上昇)で、2四半期連続の上昇となった。エリア別では、東京ベイエリアの空室率は0.9%で横ばい。外環道エリアは1.3%(同0.3ポイント低下)、圏央道エリアは0.7%(同2.4ポイント低下)といずれも低下した。国道16号エリアは、前期まで2期連続で0.0%だったが、今期は1.8%に上昇。

 今期もEC企業の大型契約が見られたが、需要の大勢を占めたのは物流企業による拡張や新規開設で、1棟借りも複数あった。向こう2四半期の間に竣工する物件の内定率は6割近くに及んでいるため、需給バランスが大きく緩む可能性は低いとしている。

 1坪当たりの実質賃料は4,470円(同0.2%上昇)。開発計画により再評価された地域や、相対的に割安感のある物件では、賃料の上昇傾向が持続している。一方で、立地やスペックに見合わない賃料設定の物件はリーシングが長期化する可能性があると予測した。

 近畿圏(55棟)の空室率は1.7%(同0.2ポイント低下)。15年第1四半期以降で最低値となった。向こう2四半期の共有予定物件は約9割の面積が内定済みで、需給バランスはひっ迫した状態が続く見通し。実質賃料は4,050円(同0.7%上昇)。中心部やスペックの高い物件は評価が上がっている。

 中部圏(28棟)の空室率は、6.5%(同2.1ポイント低下)となった。今期は新規供給がなく、複数の既存物件で空室が消化されたことが要因。コストへの見方が厳しくなっている中、テナントのニーズは賃料水準の低い地域や物件に比較的多い。そのため賃料上昇が抑えられ、実質賃料は3,590円と、4四半期連続の横ばいとなった。

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