不動産ニュース / 調査・統計データ

2021/8/23

地場景況感、売買の業況DI改善に一服感

 不動産情報サービスのアットホーム(株)は23日、「地場の不動産仲介業における景況感調査」(2021年4~6月期)の結果を発表した。

 北海道、宮城県、首都圏(1都3県、東京は23区と都下)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の13都道府県14エリアにおいて、前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出。「50」を前年並みとする。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる不動産店の経営者層を対象にインターネットで調査した。調査期間は21年6月11~24日。有効回答数は2,048店。

 当期の賃貸仲介の業況DIは、首都圏で42.2(前期比0.8ポイント上昇)、近畿圏40.1(同4.8ポイント低下)。両エリアとも、前年からの持ち直しの傾向に足踏みしている様子がうかがえた。全国14エリア中、前期からDIが改善したのは埼玉県、東京23区、東京都下、福岡県の4エリアにとどまった。DIが30台にとどまるエリアもあるなど、停滞感を感じさせる結果となった。

 売買仲介の業況DIは、首都圏が45.6(同変化なし)、近畿圏が41.6(同0.4ポイント低下)と、回復傾向には一服感が見られた。全国14エリア中、10エリアで前期の業況DIを上回った。東京23区では価格高騰と物件不足を指摘する声もあり、DIは41.4(同2.0ポイント低下)と低下。一方で近隣エリアからはポジティブなコメントが多く、需要が都心部から郊外に流れている様子もうかがえた。

 21年7~9月期の見通しDIは、賃貸仲介では首都圏41.7、近畿圏42.2と大きな動きは見込まれなかった。エリア別では6エリアが4~6月期のDIよりもプラスになると予測。中でも近畿圏の京都府、大阪府、兵庫県はいずれもプラスとポジティブな見通し。一方、売買仲介では首都圏47.2、近畿圏46.8と、ポジティブな見込みとなった。エリア別では10エリアで上昇する見通しで、京都府と宮城県では50を上回った。

 不動産店からは、賃貸では「リモートワークの増加で単身向け物件の動きが低下」(東京都品川区)や、「単身者がほとんど動かない」(川崎市)など、主要な顧客層である単身者の動きが鈍いというコメントが聞かれ、賃貸が足踏みしている要因だと考えられる。売買については、「賃貸からの住み替えが増えた」(埼玉県草加市)、「住宅ローン低金利のため、購入希望客が多かった」(神戸市)といった声が多かったが、「新築はウッドショックで着工が減り、かなり苦戦しそうだ」(大阪市)と先行きを懸念する声も出ていた。

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