国土交通省は23日、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」(座長:田辺新一早稲田大学創造理工学部建築学科教授)の最終とりまとめを発表した。
4月より6回の議論を重ね、2050年および30年に目指すべき住宅・建築物の姿(あり方)、省エネ対策等の取り組みの進め方を示した。
50年に目指すべき住宅・建築物の姿については、住宅・建築物の「ストック平均」でZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保されていることとする。また、導入が合理的な住宅・建築物における太陽光発電設備等の再生可能エネルギー導入が一般的となることを目標とした。
その実現に向け、30年には新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保されているとともに、新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が導入されることを目指す。
カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、(1)家庭・業務部門(住宅・建築物における省エネ対策の強化)、(2)エネルギー転換部門(再生可能エネルギーの導入拡大)、(3)吸収源対策(木材の利用拡大)を推進。
(1)では、住宅を含む省エネ基準への適合義務化、断熱施工に関し未習熟な事業者の技術力向上の支援など、省エネ性能の底上げを実施。長期優良住宅、低炭素建築物等の認定基準をZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能にレベルアップさせるほか、より高い省エネ性能を実現するトップアップの取り組みを行なう。(2)については、太陽光発電や太陽熱・地中熱の利用、バイオマスの活用など、地域の実情に応じた再生可能エネルギーや未利用エネルギーの利用拡大を図ることが重要とした。(3)では、木造建築物等に関する建築基準のさらなる合理化、公共建築物における率先した木造化・木質化の取り組みを推進していく。