三幸エステート(株)は10日、2021年8月度の東京都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)および全国6大都市(東京、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡)の大規模ビル(1フロア面積200坪以上)のマーケットデータを公表した。
東京都心5区の空室率は3.50%(前月比0.24ポイント上昇)と13ヵ月連続で上昇した。コロナ後のオフィス戦略の見直しにより生じた大口の募集床が後継テナントを確保できず、現空となる事例が散見された。また、今年に入りテナントの移転件数は増加傾向にあるが、縮小移転等が動機となっているケースが多く、オフィス需要はコロナ前の水準を下回る状況となっている。潜在空室率(貸付総面積に対する募集面積の割合)は7.40%(同0.09ポイント低下)と、19ヵ月ぶりに低下した。
1坪当たりの募集賃料は2万8,739円(同19円上昇)と、3ヵ月ぶりに小幅に上昇したものの、低下傾向が継続している。募集面積は62万316坪(同2,873坪増)。新築ビルへ移転したテナントの二次空室や部分解約等でまとまった面積の募集床を抱えるビルを中心に、フリーレントを含む条件緩和によりテナント誘致を促進する動きも見られる。
全国6大都市の空室率は、東京23区3.5%(同0.2ポイント上昇)、札幌市3.1%(同0.6ポイント上昇)、仙台市3.6%(同0.9ポイント低下)、名古屋市2.8%(同0.1ポイント上昇)、大阪市3.0%(同0.3ポイント上昇)、福岡市2.7%(同0.1ポイント低下)となった。