不動産ニュース / イベント・セミナー

2021/9/14

高齢者の豊かな生活空間を考えるセミナー

 (株)タムラプランニング&オペレーティングは14日、第110回「高齢者の豊かな生活空間開発に向けて」研究会を実施。「高齢者住宅施策の最新動向と自立支援~ICTの活用~」をテーマに、集合とオンラインのハイブリッド形式によるセミナーを開催した。

 第1部では、厚生労働省老健局高齢者支援課課長補佐の東條 旭氏が、同省の最新施策とICTの活用について説明。新型コロナウイルス感染症が拡大し大規模な自然災害も発生する中、「感染症や災害への対応力強化」を図るとともに、「地域包括ケアシステムの推進」「自立支援・重度化防止の取り組みの推進」「介護人材の確保・介護現場の革新」「制度の安定性・持続可能性の確保」を推進していくとしている。
 また、団塊の世代のすべてが75歳以上となる2025年に向け、「効率的かつ質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」が急務の課題であると言及。これを受け、14年度から消費税増収分等を活用した財政支援制度(地域医療介護総合確保基金)を創設、各都道府県に設置しており、引き続き、地域のモデル施設の育成、テクノロジー活用支援、人材確保等を行なっていくとした。

 介護ロボット開発等加速化事業についても触れ、地域拠点となる相談窓口(全国11ヵ所)、リビングラボ(同6ヵ所)のネットワーク、介護現場における実証フィールドを整備し、介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォームを構築していく計画を明らかにした。併せて、介護現場のICT化も推進。科学的介護情報システム「LIFE(VISIT・CAHSE)」の導入が前提となることから、一定の要件を満たす事業所への補助率の下限額を4分の3まで引き上げ、事業主負担の減額を図る。

 第2~5部では、高齢者住宅関連の自立支援に関する機器について、(株)トータルブレインケアが認知機能別トレーニングを楽しく続けることができる「CogEvo(コグエボ)」を、フクシマガリレイ(株)が食の安全・安心を守る「HACCP(衛生管理)システム」を紹介。パラマウントベッド(株)は睡眠計「眠りSCAN」による睡眠状態の確認について、(株)モリトーは介護リフトの活用事例を披露した。

 第6部では、タムラプランニング&オペレーティング代表取締役の田村明孝氏が登壇。高齢者住宅を取り巻く環境について、人口減の問題を取り上げ「今後、働き手の減少やケアスタッフ不足が深刻化する。介護ロボットの開発やIT化の取り組みが重要となる」と言及。また、病院や施設での看取りは今が限界とし、「訪問医師・看護師との連携は必須。認知症ケアを高齢者住宅で対応していくことも考慮しなくてはならない」と話した。自治体別高齢者住宅・施設の需給状況については、人口集積エリアである大都市で慢性的不足が発生しており、一方、一部地方都市では供給過剰の状態と説明。「住宅型・サービス付き高齢者向け住宅の特定施設への誘導も検討する必要がある」とした。

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