国土交通省は4日、社会資本整備審議会「第45回建築分科会」・「第20回建築環境部会」・ 「第17回建築基準制度部会合同会議」を合同で開催した。
同会では、「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(第三次答申)」および「今後の建築基準制度のあり方について(第四次答申)」に向け、脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策、建築基準制度のあり方について審議する。
今回は審議の方向性・論点について整理。議論すべきテーマを、「住宅建築物のエネルギー消費性能の向上」、「CO2貯蔵に寄与する建築物における木材の利用促進」、「CO2貯蔵に寄与する既存ストックの長寿命化」の3つに分け、それぞれ具体的な論点を挙げた。
「住宅建築物のエネルギー消費性能の向上」の論点は、(1)「新築住宅・建築物における省エネ基準への適合の確保」、(2)「省エネ基準の段階的引上げを見据えたより高い省エネ性能の確保」、(3)「既存ストックの省エネ対応等」、(4)「建築物における再生可能エネルギーの利用の促進」。
「CO2貯蔵に寄与する建築物における木材の利用促進」の論点は、(5)「小規模木造建築物等の構造安全性を確認するための措置」、(6)「中大規模建築物の木造化や、混構造などの部分的な木造化の推進」。
「CO2貯蔵に寄与する既存ストックの長寿命化」の論点は(7)「既存ストックの長寿命化に向けた省エネ改修の円滑化等のための措置」。
このうち、「住宅建築物のエネルギー消費性能の向上」の議論の方向性について委員からは、「まだ評価されていない新しい省エネ技術をどのように評価していくのかについても検討したい」、「省エネへの対応はコスト面の負担も大きいが、例えばソーラーパネルは設置することで景観が損なわれるという思いから設置したくないと考える消費者も多い。そうした問題の解消に向けた審議も必要では」、「公共建築、公共住宅が模範として先導的な取り組みを行なうべき。それに当たり、自治体が予算を確保し省エネ改修を進めるといった施策についても検討していきたい」といった意見が出された。