オリックス(株)、オリックスグループ各社、国立大学法人東京大学は13日、再生可能エネルギーの地産地消に向けた共同実証実験を開始すると発表した。
オリックスと東京大学は、2019年6月より、ブロックチェーンを技術を活用した、電力の供給から消費に至るまでの履歴を証明するトラッキングシステムについて研究を進めている。このたび、同システムとAI技術を活用し、施設の電力需要と地域内の再生可能エネルギーによる発電量の需給予測モデルを開発する目的で、実証実験を開始する。
実証実験は、オリックスグループが運営する温泉旅館「会津・東山温泉 御宿 東鳳」(福島県会津若松市)で実施。使用電力実績の変化をAIで分析し、ホテルの稼働率や気象条件などによる電力需要を予測。自然条件によって出力が変動する市内の太陽光や風力発電施設における発電データなどを取得し、供給予測を行なう。それらを踏まえ、需要側と供給側との電力の直接取引、およびマッチング(紐づけ)の検証を実施する。
同実験を通じ、需要家のニーズに合わせた付加価値のある再生可能エネルギー電力供給サービスの実現を目指す。今後は、供給量と需要量を30分間の総量で常に一致させておくこと(同時同量)による産地証明や、複数拠点同士が対等にデータの提供および要求・アクセスを行なう自律分散型のネットワークモデルの構築を検討していく。
同日会見したオリックス環境エネルギー本部副部長の佐藤厚範氏は、「今回の実証実験は、分散型エネルギーのネットワーク化に拡張させていく第一歩となる。発電と需要が直接つながる取引が可能となっていくことは、従来型の小売り電気事業をデジタルトランスフォームさせることにつながる」などと話した。