不動産ニュース / その他

2021/10/28

釜石でワーケーション施設を開業/日鉄興和不他

「Nemaru Port」内観

 岩手県釜石市、観光まちづくり会社の(株)かまいしDMC、日鉄興和不動産(株)、(株)オカムラは28日、釜石市中心部に、ワーケーション施設「Nemaru Port(ねまるポート)」を開業した。

 釜石市、かまいしDMC、日鉄興和不動産は2021年3月26日に「釜石市におけるワーケーション事業の実施に向けた包括連携協定」を締結。地方創生およびこれからのワークスタイルの研究・提案を行なうための施設づくりを進めてきた。今回、同施設の開業にあたりオカムラが参画、4者で包括連携協定を結んだ。

 JR「釜石」駅徒歩16分に立地。日鉄興和不動産が取得した2階建て店舗物件をリノベーションした施設で、オカムラが施設デザインを担当し、オフィス家具を提供。かまいしDMCが賃借し1階を法人向けワーケーション施設として運営する。同社はワーケーションプログラムの企画運営を行なっており、釜石市と連携しながら、漁師体験や山林整備体験など、地元の資源を生かした自然体験・食文化・地域貢献プログラム、研修を提供していく。

 施設面積は36.3平方メートル。施設設計に当たっては、日鉄興和不動産とオカムラの若手社員約20名がワークショップを実施し、必要なハード・ソフト設備を選定。5~10名程度の受け入れを想定し、カウンター2席、リラックスできるテラススペース、打ち合わせスペース4席ほか、個室ブース1席や軽食が購入できる無人コンビニなども導入した。移動式の机や椅子を備え、利用ニーズに応じて自由なレイアウトが可能な設計に。また、スマートロックなど無人運営を想定した設備も導入した。なお、施設名称の「ねまる」は、釜石地方の方言で、“ゆっくりしていく、家に寄っていく”という意味合いを持つ。

 当面は完全予約制とし、釜石市・かまいしDMC・日鉄興和不動産・オカムラによる実証実験等の利用を優先して活用。日鉄興和不動産とオカムラは、首都圏に勤務する自社社員に、平日5日以上の滞在を想定したワーケーションプログラムを利用してもらい、自社事業への展開を検討していく。

 同日行なわれた調印式で、釜石市長の野田武則氏は「当市は『オープン・フィールド・ミュージアム』という、地域に固有の自然・歴史・文化等を学ぶことができるシステムをパッケージ化して提案している。そうした釜石が持つ資源を全国のワーカーに提供し、また震災の教訓なども学んでいただけるような施設が本日開業を迎えた。大きな一歩を踏み出すことができたと感じている」などと抱負を述べた。
 日鉄興和不動産(株)代表取締役副社長の吉澤恵一氏は、「当社は釜石で事業を手掛けていた縁もあり、震災後の10年、災害復興事業に取り組んできた。10年が経過し、これからの釜石に何かできないかと考えてこの施設をつくった。震災に立ち向かって復興した歴史を学び、地域の人々と触れ合い、地域資源を生かしたさまざまな体験をすることで、ワーカーに、人としての生き方を考え、自分を見つめ直す機会を提供できると考えている。リゾートで働くだけではない、釜石ならではのワーケーションプログラムを提供していきたい」などと話した。

2階建て店舗物件をリノベーションした

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