不動産ニュース / 開発・分譲

2021/12/3

金融機関等と連携し、投資用MのZEH化推進

 (株)アーバネットコーポレーションは3日、オリックス銀行(株)、投資用マンション販売会社の(株)メイクスと連携し、不動産業界で初めてZEH評価基準「ZEH-M Oriented」の認証を予定する投資用ワンルームマンションの開発に着手したと発表した。

 ZEH仕様の投資用マンションは、導入コストの観点から開発が進んでいない。アーバネットも、開発物件に台風対策を施すなどサステナビリティに準じた取り組みは推進してきたが、ZEHマンションの開発には至っていなかった。しかし先般、オリックス銀行がアーバネットの防災仕様の物件に着目し、ZEHマンションへの金利優遇装置を提案してきたことから、2社による開発計画がスタート。メイクスもその取り組みに賛同し、3社で協働してZEHマンションの開発・販売を進めることとなった。

 アーバネットがオリックス銀行から融資を受け、開発用地の取得および物件の設計・施工を実施。ZEH化に係る一部費用を乗せた値段でメイクスへ売却する。メイクスは、それを個人投資家に販売。個人投資家は、オリックス銀行から金利優遇を受けた上で物件を購入できる、という仕組み。戸当たり50万円という導入コストがネックになるが、金融面でオリックス銀行に、販売面でメイクスに一部負担してもらうことで、ZEH化に係るハードルを大幅に下げている。

 初弾物件(東京都練馬区、総戸数36戸)は、敷地面積約694平方メートル、延床面積約1,173平方メートル、鉄筋コンクリート造地上4階建て。着工は2022年4月上旬、竣工・引き渡しは23年2月末を予定。エアコン・給湯器を高効率型に、水栓を節水・手元止水型にするなど必要な環境仕様を導入し、「ZEH-M Oriented」の認証を所得する予定。

 同日会見したアーバネットコーポレーション代表取締役社長の服部信治氏は、「ZEHマンションは快適性が高いため、リーシング時も一定の引き合いが見込めるだろう。今後も適地が見つかれば、当スキームを活用し積極的に開発を進めていく。現状は、オリックス銀行さまからの融資が大前提だが、他の金融機関にも協力を仰ぐことで、ZEHマンションの開発を加速していきたい」等と語った。

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