不動産ニュース / 開発・分譲

2021/12/8

日本最大級の木造賃貸マンションが竣工/三井H

「MOCXION(モクシオン)稲城」外観
最上階・角部屋のモデルルーム

 三井ホーム(株)は8日、日本最大級の木造賃貸マンション「MOCXION(モクシオン)稲城」(東京都稲城市、総戸数51戸)の完成内覧会を記者向けに開催した。

 京王相模原線「稲城」駅徒歩3分に立地。敷地面積1,499.20平方メートル、延床面積3,738.30平方メートル、ツーバイフォー(2×4)工法地上5階建て(1階部分は鉄筋コンクリート造)で耐火建築物。2020年11月に着工、21年11月に竣工した。鉄筋コンクリート造で建築した場合に比べCO2排出量を約50%削減、同物件の木材によるCO2貯蔵量は杉約2,953本分に相当し、脱炭素への貢献度も高いという。

 工法の工夫で遮音性、防火性などの課題を解消。床や壁を複合構造にすることで、大手ディベロッパーが分譲する鉄筋コンクリート造のマンション同等のレベルまで遮音性を高めた。壁等の表面に石膏ボードを用いることで、万が一火災が発生しても石膏ボードのみが燃える仕様としている。低層階には、建物を支えるため2×4工法を応用した壁倍率30倍超の高強度耐力壁「MOCX wall(モクスウォール)」を導入した。また、木の伸縮等に対応するため、全階にタイロッドを貫通させバネを内蔵した金物を取り付けたタイダウンシステム「ロッドマン」を取り入れ、緩みを吸収する。これら工法には一般部材等を有効活用することでコストダウンを図った。総工費は13億8,000万円で、鉄筋コンクリート造で建築した場合と比較して1割程度の削減を実現している。

 また、鉄筋コンクリート造の断熱を強化し、開口部に高断熱サッシを採用。高効率空調機や給湯器などを導入し、ZEH-M Orientedを取得。住宅性能表示における劣化対策等級3、断熱等性能等級4、一次エネルギー消費量等級5も取得している。太陽光発電システムと蓄電池を導入し、平時には共用部の照明に電力を使用し、停電時には蓄電池より共用部の非常用コンセントに電気を供給する。

 住戸の間取りは2LDK、3LDK、専有面積50.82~68.08平方メートル。47戸で入居者を募集し、賃料は12万2,000~15万円。同社によれば「稲城駅ではなく、同沿線で人気の高い調布駅周辺の相場であえて設定した。坪当たり8,400円で、稲城駅から徒歩8分の鉄骨造の新築賃貸マンションの坪単価が6,500円であることを踏まえると、強気な賃料設定」だという。内覧会を11月に開始したところ、業界関係者も含め2,000人超が見学し、4日間の見学会で9割の入居申し込みがあった。入居申込者は20~50歳代の単身者やファミリー世帯など。見学者向けアンケートでは、「稲城駅周辺で探していた」に次いで、「木造マンションに興味があった」という回答が多かったという。12月中に入居開始予定。

 なお、モクシオン2弾目は未定だが、同業他社や地主などからモクシオン開発への問い合わせがきている状況だという。

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