不動産ニュース / 調査・統計データ

2022/2/2

首都圏の大型物流施設空室率、2.3%に

 シービーアールイー(株)(CBRE)は1月31日、2021年第4四半期の物流施設市場動向を発表した。

 首都圏(206棟)の大型マルチテナント型物流施設の空室率は、2.3%(前期比0.3ポイント低下)となった。今期の新規供給は6棟・約17.5万坪で、うち3棟が満床で竣工した。さらに21年に竣工した築浅物件でも複数のテナント決定があり、新規需要が18.8万坪に積み上がった結果、21年の新規需要は54万坪となり、20年の46万坪を上回った。22年の新規供給は、調査開始以来最大となる72万坪が予定されている。その一方で向こう2四半期の竣工予定物件の約半分の面積でリーシングが進んでいるため、22年第3四半期時点での空室率は2.4%程度で大きく上昇はしない見通しとなっている。

 エリア別では、東京ベイエリアの空室率が0.5%(同0.3ポイント上昇)で、新規供給はなくタイトな需給状況に変わりはない。外環道エリアは2.4%と前期比2.1ポイントの上昇。国道16号エリアは3.0%(同0.2ポイント低下)、圏央道エリアは0.9%(同1.2ポイント低下)となった。

 1坪当たりの実質賃料は4,470円で横ばい。賃料水準の低い立地での新規竣工が影響したものの、今後の供給が少ない地域では既存物件の賃料は上昇傾向となった。ただし賃料の上昇ペースは鈍化しつつあり、豊富な供給によりテナントの選択肢が増えていることで、竣工前の早い段階で満床となる物件は減ってきている。

 近畿圏(62棟)の空室率は1.2%(同0.4ポイント低下)。6四半期連続で低下しており、需給はかなり逼迫した状況。今期の新規供給物件2棟のうち1棟は満床、他も9割以上の高稼働で竣工した。今期の新規需要は7.8万坪で、21年の新規需要は計30万坪。年間ベースの過去最高を記録した。22年の新規供給は3棟と少なく、6割程度がすでに内定済みとみられる。実質賃料は4,100円(同横ばい)。既存物件の賃料は上昇基調だが、今期竣工物件がいずれも賃料水準の低い周辺部に立地したことから全体平均を押し下げた。

 中部圏(29棟)の空室率は5.1%(同2.8ポイント低下)。今期竣工はなく、前期竣工を含む複数の物件で空室が消化された。22年は既存ストックの4割に相当する9棟17万坪の新規供給が予定されている。実質賃料は3,590円で横ばい。

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