「音楽マンション」のブランドで楽器演奏可能な防音賃貸住宅による土地活用を提案している越野建設(株)(東京都北区、代表取締役:越野充博氏)は、2023年3月までに6物件の音楽マンションを完成させる。12年の音楽マンション初弾物件完成から約11年で、建設実績が50物件1,000戸規模に達するという。
音楽マンションは、防音仕様の室内ドアや遮音二重床、二重サッシ、防音仕様の換気装置、吸音素材の天井などで防音性能を高めることで、音大生やプロ演奏家だけでなく、音楽を趣味とする社会人らからも支持を集めている。初弾物件では10年間の平均入居率が99.3%と非常に高く、賃料も新築時の水準を維持している。「最近では、入居者が入れ替わる際に、賃料を上げて募集することが多く、それでもすぐに次の入居者が決まります」(同社取締役企画開発部長・吉井政勝氏)。
音楽マンションは、賃料を近隣相場よりもおおむね1万円高く設定できる上、会員組織を中心とした入居希望者の多さから、退去があってもすぐに入居が決まる。そのため、賃料下落リスクが低く、高い収益性で安定した賃貸経営が見込めるとあって、オーナーの関心も高いという。
3日には、メディアやオーナー向けに11月に竣工した「ダブルフラット新江古田」(東京都中野区、総戸数7戸)の見学会を開催した。同物件は都営大江戸線「新江古田」駅より徒歩2分に立地。敷地面積は276.13平方メートル、建物は鉄筋コンクリート造2階建て、延床面積は317.28平方メートル。住戸専有面積は28.19~53.48平方メートルで、少ない戸数ながらシングル、DINKS、ファミリー向けの間取りをそろえた。共益費込みの賃料は10万3,000~17万8,000円。募集開始したばかりで広告をほとんど行なっていないにもかかわらず、すでに半分程度の住戸に申し込みが入っている。
オーナーの土地活用で建設したもので、最大4階の物件が建てられる地域ながら、周囲への日陰対策のために2階建てに抑えた。「オーナーは周囲に賃貸住宅を複数お持ちの地主。当社の音楽マンションはそうした賃貸経営に慣れているオーナーから人気が高く、リピートも多い」(吉井氏)。
見学会では、1住戸でバイオリニストが実際に演奏し、隣の住戸や廊下へ音漏れがしないことを実際に体感できるデモンストレーションを実施し、防音性能をアピールした。