不動産ニュース / 開発・分譲

2023/1/24

「虎ノ門ヒルズ」駅一体の複合開発、23年秋開業へ

辻社長に近い側より虎ノ門ヒルズ「ビジネスタワー」「森タワー」「レジデンシャルタワー」、一番右が「ステーションタワー」

 森ビル(株)は24日、参加組合員として推進する「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(東京都港区、虎ノ門一・二丁目地区第一種市街地再開発事業A-1街区)を、2023年秋に開業すると発表した。

 「森タワー」(14年竣工)、「ビジネスタワー」(20年竣工)、「レジデンシャルタワー」(22年竣工)に続く「虎ノ門ヒルズ」最後の開発。同ビルの開業により、「虎ノ門ヒルズ」は、区域面積約7.5ha、延床面積約80万平方メートルの多様な都市機能に加えて、道路や鉄道などの交通インフラとも一体化した、「六本木ヒルズ」に匹敵するスケールのまちとなる。

 事業施行地区面積は約2.2ha。「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」は、東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅と一体的に開発。鉄骨造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造および鉄筋コンクリート造)地上49階地下4階建て、延床面積約23万6,640平方メートル。国際水準のオフィス、地下鉄駅前広場と一体となった商業施設、東京初進出のホテル等に加え、建物最上部には、ホール、ギャラリー、プール、レストラン等を有する情報発信拠点「TOKYO NODE」を開設する。地下には「虎ノ門ヒルズ」高効率エネルギーセンターの第2プラントを設置する予定。
 なお同事業では「グラスロック」(A-2街区、地上4階地下3階建て)、「虎ノ門ヒルズ 江戸見坂テラス」(A-3街区、地上12階地下1階建て)も開発するほか、地下鉄駅前広場として3層吹き抜けの「ステーションアトリウム」(約2,000平方メートル)を創出。桜田通り(国道1号線)上に「森タワー」のオーバル広場へと接続する、幅員20mの大規模歩行者デッキも整備する。竣工は23年7月の予定。

 オフィスフロアは、9・10階、15~44階の計32フロアで、総貸室面積は約10万7,000平方メートル(約3万2,400坪)。基準階面積約3,400平方メートル(約1,000坪)、自由なレイアウトを可能にする、コアから窓面までの距離約18.5mの無柱空間を実現している。さらにワーカー同士のコミュニケーションやコラボレーション促進を目的に、計8ヵ所の、吹き抜け空間や上下階を繋ぐ階段をあらかじめ設けた「マグネットゾーン」を整備する。なお、現時点でのオフィスのリーシング状況は、3分の2がテナント決定済と順調。今後は竣工時に80%、年内の満床を目標に営業活動を行なっていく。

 情報発信拠点「TOKYO NODE」(約1万平方メートル)は、最上部(45~49階、一部8階)に設置。8階には、未来の都市体験の共同研究などを行なうラボも併設する。

 地下2階~地上7階は、約80店舗、約1万4,400平方メートル(約4,300坪)の商業空間。地下鉄駅前広場と直結したマーケット「T-マーケット」のほか、エリア初となる大型セレクトショップ、都心最大級の総合ウェルビーイング施設などがオープンする予定。ホテルは、1階、11階~14階に東京初進出のアンバウンド コレクション by Hyatt 「ホテル虎ノ門ヒルズ」(客室数205室)が出店。標準客室約27~34平方メートル。レストランやカフェ、ワーキングスペースとして利用できるラウンジを備え、シャワーブースやリラクゼーションルーム、ミーティングルームなども用意し、さまざまな利用シーンに対応する。

 24日に会見した同社代表取締役社長の辻 慎吾氏は、「当社は、先代(森 稔氏)の頃より約30年間、世界の都市間競争にどう勝つかを念頭に都市開発を行なってきた。その答えが六本木ヒルズであり、虎ノ門・麻布台ヒルズだ。世界から人を引き付ける磁力のある都市とは、国際水準のオフィスだけではなく、高水準の住宅やホテル、カンファレンス、情報発信拠点さらには豊かな緑・自然など、グローバルプレイヤーが求める都市機能が徒歩圏にコンパクトに集積するまちだと考えている。虎ノ門ヒルズは約9年という、都市再開発事業としては異例のスピード感を持って、駅や道路などのインフラと一体的に開発し、まさにそうした国際都市競争力を高める上で必要なまちづくりをしてきた。これからの都市をつくる上での重要な事例だと考えている」などと述べた。

森タワー29階より臨んだ建設中の「ステーションタワー」(写真奥)。手前は、森タワーとつなぐ「T-デッキ」

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