不動産ニュース / 調査・統計データ

2023/3/7

不動産「買い時ではない」が過半/野村不S調査

 野村不動産ソリューションズ(株)が7日に発表した「住宅購入に関する意識調査」によると、不動産の「買い時だと思わない」という回答が調査開始以来はじめて過半を占めるなど、ユーザーの慎重姿勢が強まっていることが分かった。この調査は2011年から年2回実施しているもので、今回で24回目。調査は1月27日~2月12日、同社の不動産情報サイト「ノムコム」の会員を対象にインターネットで実施。有効回答数は2,376人だった。

 今後の不動産価格動向についてどう思うかを聞いた問いでは、「上がる」が35.6%(前回調査比0.1ポイント減)で最も多かった。ただし、20年9月調査以降急激な増加基調で推移してきたことから、不動産価格の先高観には若干の変化が現れた。「横ばいで推移」が31.1%(同1.2ポイント増)、「下がる」は23.4%(同0.1ポイント減)、「わからない」9.9%(同1.0ポイント減)となった。

 「上がる」という回答の理由については、「需要が顕著、資材価格高騰で新築価格が上昇し、既存マーケットも上がる」「国際市場では日本の成長性に安定感があるため、外国資本の流入が進む可能性がある」などの声が上がった。また「下がる」については、「不動産価格が上がっても、収入が上がらないので買い手がいなくなる」「価格上昇や世帯数減少で需給が緩む可能性がある」などがあった。

 また、「不動産は売り時」と思うかという設問に対しては、「思う」が21.3%(同3.0ポイント減)、「どちらかと言えば思う」が57.5%(同0.4ポイント増)、「どちらかと言えば思わない」が14.5ポイント増)、「思わない」6.7%(同0.4ポイント減)。近年増加傾向だった「思う」が減少し、「どちらかと言えば思わない」が増加するなど、ややトレンド変化の兆しが読み取れた。

 一方、「不動産は買い時」と思うかという問いに対しては、「思う」が8.4%(同0.9ポイント減)、「どちらかと言えば思う」22.2%(同0.1ポイント増)、「思わない」52.5%(同3.1ポイント増)、「分からない」16.9%(同2.3ポイント減)。11年7月の当アンケート実施以降、「買い時だと思わない」という回答が過半となった。住宅ローン金利や不動産価格そのもの先高観が要因だと考えられる。

 また、不動産取引におけるキャッシュレス契約サービスについての印象を聞いたところ、「利用したい」が35.1%、「機会があれば利用したい」が42.4%と、合わせて77.5%がポジティブな反応を示した。利用したい理由を複数回答で聞くと、「現金の持ち運びがなくなり安心」が80.0%と最も多く、「引き出す手間が省ける」60.9%などといった回答が多かった。

 引き渡し時の「非対面決済サービス」については、「利用したい」が18.8%、「機会があれば利用したい」が39.4%と、合わせて58.2%が前向きな回答をした。理由は「移動や決済手続きの時間を省ける」が83.1%で最多。次いで「関係者全員の日程調整が不要」58.6%、「遠方でも対応できる」41.0%と、決済の効率化が中心となった。

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