不動産ニュース / ハウジング

2023/4/21

住宅の光触媒の空気清浄装置、除菌等で高い効果

「すごい家」のモデルハウス外観
実証実験の様子

 「アイフルホーム」「フィアスホーム」「GLホーム」のフランチャイズ本部である(株)LIXIL住宅研究所は21日、コンセプト住宅「すごい家」に搭載している換気・除菌・脱臭に関する設備等の効果について発表した。

 同住宅は、既存商品のさらなる強化等に向け、高品質モデルとして2021年10月に発表。高い省エネ性能やレジリエンスのほか、感染症対策等の健康的な室内環境の実現にこだわった。光触媒の空気清浄装置を搭載した全館ダクトレス空調システムおよび24時間熱交換換気システム、光触媒塗布フローリング等を採用している。光触媒は、太陽や蛍光灯などの光が当たると、光触媒の表⾯で酸化⼒が⽣まれ、接触した細菌、ウイルスなどの有害物質を⽔と⼆酸化炭素に分解する。

 NPO法人バイオメディカルサイエンス研究会(東京都品川区、理事長:瀬島俊介氏)の協力を得て、22年12月に埼⽟県越⾕市のモデルハウスで、換気・除菌・脱臭機能を計測する実証実験を行なった。換気性能については、窓を開けずに24時間空調換気システムを稼働させた状態で室内にCO2を発生させると、ピーク時には厚労省の換気状態の基準値を超える濃度1,200ppmあったものが、30分後には約半分、1時間で約3分の1になっていることが確認できた。空間除菌は、乳酸菌を用いて室内の除菌性能を実験。空気清浄装置を停止した状態だと、光触媒フローリングの除菌性能による緩やかな減衰のみが見られたが、空気清浄装置を作動させると約60分で高い除菌効果が得られることが分かった。脱臭性能については、臭いの主要物質であるアンモニア水を用いて検証。臭気判定士による6段階評価試験で、当初強い臭気レベル4であった空間が、除菌・脱臭装置を作動して60分後にはほとんど無臭の臭気レベル1まで下がった。

 なお、これらの実証実験の結果によって、(⼀社)レジリエンスジャパン推進協議会主催の「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化⼤賞)2023」において「STOP感染症⼤賞最優秀賞」を受賞している。

 同社代表取締役社長の加嶋伸彦氏は「今後も最先端の住宅を⽬指し、さまざまな実証実験などを進めていく。その成果を既存ブランドへ機能を付加すること等も検討していきたい」と話した。

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全館空調

居室だけでなく廊下など建物の全てのスペースを対象とした空調のこと。全館空調は、部屋ごとに空調機器を設置せず、一つの設備で処理した空気を配管によって建物全体に循環させる方法で運用される。通常、24時間運転とされ、稼働コストが嵩むほか、原則として新築時に設置しなければならない。

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