不動産ニュース / 調査・統計データ

2023/5/8

首都圏の築10年マンション、新築価格から平均3割上昇

 (株)東京カンテイは8日、2022年の首都圏における「築10年既存マンションのリセールバリュー(RV)に関する調査」の結果を発表した。同社データベースに登録された築9~10年の分譲マンションのうち、22年に既存マンションとして流通した事例を抽出し、新築分譲価格と流通価格とを比較して算出した。

 首都圏でRVが算出可能だった駅は398駅で、平均値は132.5%となった。対象物件の分譲当時は東日本大震災直後で、市場が混乱。13年以降の新築マンション価格高騰以前という事情もあり、近年の急激な価格上昇がRVに大きく影響した。
 398駅中、RVが100%以上になったのは389駅で、ほとんどの駅で新築時の分譲価格を維持するか、上回っている。このうち、150%以上の駅も71駅あったほか、142駅で首都圏の平均値よりも高かった。RVが低下した9駅についても、大きく下落した駅はなかった。

 調査対象となった駅で最もRVが高かったのは東京メトロ南北線の「六本木一丁目」駅の251.6%。新築時の平均坪単価483万6,000円に対して、流通時坪単価が1,216万7,000円だった。次いで、東京メトロ千代田線の「新御茶ノ水」が208.1%(新築時385万7,000円、流通時802万7,000円)、小田急小田原線「代々木上原」駅192.0%(同357万2,000円、同685万9,000円)だった。上位30駅のうち、東京都港区が11駅で最も多く、次いで渋谷区と千代田区が5駅ずつとなった。東京23区以外では、小田急江ノ島線「片瀬江ノ島」駅が166.1%で22位、「桜木町」駅が164.5%で26位となった。

 また、竣工から10年間賃貸住宅として運用した後に売却した場合の差益を試算。最も差益が大きかったのはRVでトップだった「六本木一丁目」駅で、1坪当たり1,028万円の差益があった。1坪当たりの10年間の運用益が294万9,000円、1坪当たりの売却益は733万1,000円。年間利回りに換算すると21.26%と想定される。

 同社では、「運用益と売却益の差が大き過ぎる。この傾向はバブル期やリーマンショック前にもみられた。運用利回りが低下している中で、売却益頼みの不動産投資が続けば、金利動向次第で買い手の動きがストップするなど市場に変調を来す可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

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