不動産ニュース / 開発・分譲

2023/5/18

三井不、新木場で2棟目のラボ&オフィス

「三井リンクラボ新木場2」外観
入居済みの区画。「都心部に近い立地、研究規模にフィットした区画面積、共同機器が充実していること等が入居の決め手になりました」(キッズウェル・バイオ(株)担当者)

 三井不動産(株)およびライフサイエンス分野の会員組織である(一社)ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)は18日、4月28日に竣工した賃貸ラボ&オフィス「三井リンクラボ新木場2」(東京都江東区)を報道陣に公開した。

 同社は2019年に賃貸ラボ&オフィス事業「三井のラボ&オフィス」をスタート。葛西、新木場等の「都心近接」エリアと、アカデミアや研究施設、先端医療施設等が集積する柏の葉等の「シーズ近接」エリアに分かれ、本格的なウェットラボ(創薬や再生医療等の研究者が液体や気体等を使った実験が可能なラボ)とデスクワークができるオフィスが一体化した施設を展開している。

 「三井リンクラボ新木場2」は、21年7月にオープンした「三井リンクラボ新木場1」に続く新木場エリア2棟目、事業全体では4棟目となる施設で、東京メトロ有楽町線・東京臨海高速鉄道りんかい線・JR京葉線「新木場」駅より徒歩7分に立地。敷地面積9,002平方メートル。地上4階建て、延床面積1万8,232平方メートルと、同事業最大規模の旗艦物件となる。

 総貸付面積は1万4,588平方メートル。最大約100テナントが入居可能。全区画BSL2(病患を起こす可能性があるが重大な災害となる可能性のない病原体)対応のウェットラボ仕様のほか、各区画ごとに設備バルコニーも設け、貸室内への直接給排水・給排気に対応。利便性・安全性を高めた。またスタートアップ向けに70~100平方メートルの小規模区画も設けている。一部区画にはコンセントや流し台、パーテーション等の什器を用意し、入居時の初期費用を大幅に圧縮した。
 共用部には、オーシャンビューのラウンジやカフェのほか、最大100人程度を収容可能な会議室、屋上テラス等を設置。ラウンジおよび会議室は「LINK-J」会員も無料で利用できる。

 併せて、同事業の新サービスとして「三井リンクラボ オープンイノベーション支援プログラム」を始動。研究や事業戦略等について製薬企業出身のサイエンティストに相談できる「サイエンスコンシェルジュ」や、ビーカー等の研究用品や試薬などを購入できる「MITSUI LINK-Lab LINK-Stock」、実験に必要な汎用機器および高額機器を共同利用できる「共通機器室」の設置を順次進める。また、テナント同士の交流会やLINK-J主催イベントなどのネットワークサポートも実施。同施設では、「MITSUI LINK-Lab LINK-Stock」および「共通機器室」を導入し、付加価値を高めている。

 今後の展開について、同社ライフサイエンス・イノベーション推進部の髙木吉盛氏は「同施設の開業と同時に、至近の『新木場センタービル』7階において、賃貸オフィス・会議室を持つ新拠点「ライフサイエンスハブ新木場」を整備した。24年秋には新木場エリア3棟目となるラボ&オフィス『(仮称)三井リンクラボ新木場3』も竣工する見込みだ。これにより、新木場をライフサイエンス分野の研究者が集まるまちへと変えていきたい」等と語った。

1階のカフェでは、日替わりランチやドリンクなど豊富なメニューを提供する
「共通機器室」では、セルアナライザーやリアルタイムPCRなど高価な汎用機器を従量課金制(30分ごと)で利用できる
「MITSUI LINK-Lab LINK-Stock」では研究用の消耗品・試薬等をバラ売り。大量ロットでしか購入できない、すぐに届かないという不便を解消する。開業は23年秋の予定

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