(一社)不動産流通経営協会は25日、ホテルオークラ東京プレステージタワー(東京都港区)で定時総会を開き、2022年度の事業報告を行なったほか、同年度決算の議決・承認、改選期に伴う新役員の選任が行なわれた。新役員の選任後に開かれた臨時理事会において、太田陽一氏(東急リバブル(株)代表取締役社長社長執行役員)が新理事長に選ばれた。前理事長の竹村信昭氏は副理事長に選任された。
総会後に行なわれた懇親会の冒頭で挨拶した太田新理事長は、「22年度の首都圏での既存住宅流通市場は、東日本レインズのデータによると、成約件数はやや減少したものの、既存マンション等の成約価格は高水準を維持し、総じて堅調な一年だったといえる。一方、コロナ禍はようやく一区切りとなったが、ウクライナ問題に端を発する為替や物価の大きな変動など、社会・経済環境が大きく変動した。この重要な時期に理事長に就任したが、当協会がアフターコロナの時代の要請にしっかりと応え、不動産市場に新しい価値を想像することを目指す」などと述べた。
また同氏は、特に力を入れて取り組みたいこととして、(1)政策提言と調査研究活動・情報発信、(2)不動産IDの活用など、デジタル社会の利便性を取り入れた不動産流通制度・システムの構築、(3)安全安心の仲介サービスの実現、の3点を挙げた。(1)については、「新築と既存は車の両輪。税制上もイコールフィッティングでなくてはならない。それが実現すればお客さまの選択肢が広がる」と述べた。また(3)については、「事業者と消費者の情報格差が縮小する中で、仲介取引での我々に求められる役割はますます重要になる。消費者から高く評価されるよう、営業従事者への教育・研修にこれまで以上に力を入れたい」などと話した。
なお、23年度の事業計画については3月23日開催の理事会で決定済み。調査研究事業やその結果をエビデンスとした政策提言、研修事業等を進めていく。